January 09, 2009
第二のチケット事件・その4
帰国当日。前の晩からお湯が出なくなり(よくあることだ)、
三つのレッスンの後からシャワーも浴びていない。
11:10発ニューアーク国際空港発の帰国便に向けて
私は朝の7時前に最後の宿泊所:「ハードロックホテル・バン
グラデシュ」を出た。
こちらでお世話になったGONさんの「この時期は混むから早
めにね」という忠告と自分の遅刻癖のためばかりではない。
最低最悪の電波状況の中で無理やりききとった6桁の予約
番号一つで本当に飛行機に乗れるのか。
状況は瀬戸際なのだ。
日の出前で外は真っ暗、しかも雨。
私はホテルバングラデシュに寄贈しようと思っていたワイン
オープナー(YEAHYEAH女子四名はこれをあたりまえのよ
うに使って酒盛りをしていた)を迷いなくとりあげ、交差点の
ガーベッジ缶に放り込んだ。部屋にアンプまでもちこんでい
たギター男になんの注意もしてくれなかったただ気のいいだ
けのバングラデシュオーナーに本当に腹をたてていたのだ。
もちろんチップもなし。必要なことを必要なときにぴしっといえ
ないオーナーにオーナーの資格なしである。
こんなに朝早いというのにすでにイエローキャブのほとんどが
客をのせている。私は雨に濡れながら手を挙げ続けた。
ようやくつかまえた一台はこれまた因果のラテン系。「ニュー
アーク」を何度言ってもききとれず、地図をみせて示したうえ
でようやく走り出した。
はじめて乗るNYのイエローキャブ(一ヶ月いてはじめて、で
ある。わたしは節約しまくった。あるいは本当に乗りたいとき
に彼らはいなかった)は、ニューアーク発マンハッタン向けの
インチキ小心者キャブと違って実にフェアだった。
車内に料金設定のルールが明示されるのでやきもきしない。
およそ55ドルにチップを加えて60ドル。
私はこのとき、最初のタクシー・インチキ野郎に州越えの際の
料金をちょろまかされていたことに気づいた。
私もやはりカモだったのだ。ひとつき前は。
あんな小心者のバカ野郎に負けていたことがちょっぴり悔し
かった。しかし今はそれを悔やんでいる場合ではない。
とにかく飛行機に乗らなくてはならない。
もしかすると次なるケンカと怒鳴りあいが待っているかもしれ
ないのだ。
チェックインカウンターはこの朝からよくまあと思うほどの大
行列である。私の出発時間は11:10であるが事情が事情
だけに早くきているのに、離陸ぎりぎりにひいひいやってくる
ねぼすけ旅行者がどんどん先に通される。今この場で一番
エマージェンシーなのは誰あろう私なのに!私はいらいらと
怒りを隠しきれなくなった。ようやくカウンターに通されたとき
に係員に"Relax"と諭されたほどである。
ヤツはあめーりか人にしては珍しく「気の利く」ヤツなのだった。
「30分以上も待たされてホントに疲れたんだもの」と気遣いに
報いる。本当に疲れている理由をここで説明しても仕方がない。
勝負はこのあとなのだ。
私はパスポートに「ふせん」ではりつけた命の綱の予約番号
6桁を平然と彼に示した。心の中では「書類がなくてもこの番
号があれば大丈夫ってトラベルエージェンシーに言われまし
たから」という英語まで準備している。彼はこちら向きにセッ
ティングされたチケット発行機に6桁の番号をぴろりんぴろりん
と入力した。
画面に"Please wait・・・"の表示。
時計の針の音が聞こえるようである。
15秒後。
Q:"MS RIO・・・"と画面に自分の名前が表示されたときの
気持ちをなんと言おう?
A:「これで読者はがっかりだな〜悪いな〜」
なわけないだろー!!!!
こうしてボーディング・パスは難なく発行された。
その後、靴を脱いでも時計をとってもベルトをはずしても(ス
トリップやってんじゃないんだからさ)、鳴りまくるアラームに
再度キレた私を今度は女性係官がなだめることになった。
たぶん、アメリカ滞在中に私が「なだめられる」・・・それも一
日に二度・・・経験は、最終日にしてこれがはじめてだったろ
う。私は脱いで脱いで脱ぎまくった。結果、犯人はイヤーウォ
ーマー。中に金属がうめこまれているんだそうだ。
「もう一回あそこ(ゲート)通る?でないとボディチェックすること
になるけど」と係官。
もう一歩も動きたくなかった。
私は両手をホールドアップした。
「好きにしてください」
三つのレッスンの後からシャワーも浴びていない。
11:10発ニューアーク国際空港発の帰国便に向けて
私は朝の7時前に最後の宿泊所:「ハードロックホテル・バン
グラデシュ」を出た。
こちらでお世話になったGONさんの「この時期は混むから早
めにね」という忠告と自分の遅刻癖のためばかりではない。
最低最悪の電波状況の中で無理やりききとった6桁の予約
番号一つで本当に飛行機に乗れるのか。
状況は瀬戸際なのだ。
日の出前で外は真っ暗、しかも雨。
私はホテルバングラデシュに寄贈しようと思っていたワイン
オープナー(YEAHYEAH女子四名はこれをあたりまえのよ
うに使って酒盛りをしていた)を迷いなくとりあげ、交差点の
ガーベッジ缶に放り込んだ。部屋にアンプまでもちこんでい
たギター男になんの注意もしてくれなかったただ気のいいだ
けのバングラデシュオーナーに本当に腹をたてていたのだ。
もちろんチップもなし。必要なことを必要なときにぴしっといえ
ないオーナーにオーナーの資格なしである。
こんなに朝早いというのにすでにイエローキャブのほとんどが
客をのせている。私は雨に濡れながら手を挙げ続けた。
ようやくつかまえた一台はこれまた因果のラテン系。「ニュー
アーク」を何度言ってもききとれず、地図をみせて示したうえ
でようやく走り出した。
はじめて乗るNYのイエローキャブ(一ヶ月いてはじめて、で
ある。わたしは節約しまくった。あるいは本当に乗りたいとき
に彼らはいなかった)は、ニューアーク発マンハッタン向けの
インチキ小心者キャブと違って実にフェアだった。
車内に料金設定のルールが明示されるのでやきもきしない。
およそ55ドルにチップを加えて60ドル。
私はこのとき、最初のタクシー・インチキ野郎に州越えの際の
料金をちょろまかされていたことに気づいた。
私もやはりカモだったのだ。ひとつき前は。
あんな小心者のバカ野郎に負けていたことがちょっぴり悔し
かった。しかし今はそれを悔やんでいる場合ではない。
とにかく飛行機に乗らなくてはならない。
もしかすると次なるケンカと怒鳴りあいが待っているかもしれ
ないのだ。
チェックインカウンターはこの朝からよくまあと思うほどの大
行列である。私の出発時間は11:10であるが事情が事情
だけに早くきているのに、離陸ぎりぎりにひいひいやってくる
ねぼすけ旅行者がどんどん先に通される。今この場で一番
エマージェンシーなのは誰あろう私なのに!私はいらいらと
怒りを隠しきれなくなった。ようやくカウンターに通されたとき
に係員に"Relax"と諭されたほどである。
ヤツはあめーりか人にしては珍しく「気の利く」ヤツなのだった。
「30分以上も待たされてホントに疲れたんだもの」と気遣いに
報いる。本当に疲れている理由をここで説明しても仕方がない。
勝負はこのあとなのだ。
私はパスポートに「ふせん」ではりつけた命の綱の予約番号
6桁を平然と彼に示した。心の中では「書類がなくてもこの番
号があれば大丈夫ってトラベルエージェンシーに言われまし
たから」という英語まで準備している。彼はこちら向きにセッ
ティングされたチケット発行機に6桁の番号をぴろりんぴろりん
と入力した。
画面に"Please wait・・・"の表示。
時計の針の音が聞こえるようである。
15秒後。
Q:"MS RIO・・・"と画面に自分の名前が表示されたときの
気持ちをなんと言おう?
A:「これで読者はがっかりだな〜悪いな〜」
なわけないだろー!!!!
こうしてボーディング・パスは難なく発行された。
その後、靴を脱いでも時計をとってもベルトをはずしても(ス
トリップやってんじゃないんだからさ)、鳴りまくるアラームに
再度キレた私を今度は女性係官がなだめることになった。
たぶん、アメリカ滞在中に私が「なだめられる」・・・それも一
日に二度・・・経験は、最終日にしてこれがはじめてだったろ
う。私は脱いで脱いで脱ぎまくった。結果、犯人はイヤーウォ
ーマー。中に金属がうめこまれているんだそうだ。
「もう一回あそこ(ゲート)通る?でないとボディチェックすること
になるけど」と係官。
もう一歩も動きたくなかった。
私は両手をホールドアップした。
「好きにしてください」
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この記事へのコメント
1. Posted by ももすけ January 11, 2009 11:48
そろそろ無事に日本に辿り着いた頃でしょうか?
お帰りなさい。
金曜日の初ラキアレッスン、楽しみにしてますね♪
ももすけ
お帰りなさい。
金曜日の初ラキアレッスン、楽しみにしてますね♪
ももすけ