November 2020
November 08, 2020
サルサはどうなるのか
ご無沙汰しています。ごく少人数の窓のある会場でのレッスンをKzと秋に二度開催して、これが今年の仕事納めになるのではないかという予感です。大統領選にもいよいよ決着がつき、これはあくまで象徴とはいえ、私たちは本当に遠いところにやってきたという感覚があります。
サルサという遊びをどのように考えるか。私の周辺では、マスクを着けて変わらず踊る人と、完全にサルサから距離をおく人とに二分されました。このことに、これまでいい意味で曖昧にしていられた生活スタイルの差異が否応なく際立ってしまった、、、と感じておりました。これまでは家族の存在はあくまで遊ぶ曜日と時間帯の差の範疇におさめられていたのですが、これからは躍りにいくことそのものの条件に「一人暮らしであること」かつ「オンラインでの仕事が可能であること」がカウントされるようになりました。この状況が、ワクチンが行き渡ってかつ安全性に目処がたつ数年後まで続くだろう、ということになりますと、現在うまれたサルサの世界における分断をあとになって埋めることは相当に難しいだろうと予測されます。
ニューヨークの友人はセントラルパークでのソーシャルを開催していました。秋のいい季節にこれは楽しいだろうと。さすがみなさんスタイリッシュで、いわゆる「いけてる」感じが写真から伝わってきました。しかしそれでも、季節限定、時間限定的なものです。アメリカの場合、ラテンの音楽チャンネルが非常に豊富にあるので、いつでもどこでもソーシャルやクラブのような選曲を楽しむことが可能です。厚いラテン人口の層に守られて、サルサの文化はけしてとだえることはないでしょう。しかしレッスンを受ける人口は減っているに違いなく、インストラクターたちは転職を余儀なくされていることにも違いなく、技術の継承という意味でこのあとの数年間は空白の期間がうまれることがありえます。
ラテンアメリカではどうでしょう。いやいや、彼らはめちゃめちゃ子だくさんで、みんなしていつもどこでもワイワイワイワイ歌って踊っている文化です。サルサはメキシコやコロンビアのような中南米の大家族のなかにおいて生き伸びるのではないかと思えます。キーワードは、家族です。そう、鬼滅の刃のように。
では、レッスンにいってまいりますね。