■これがクラブでかかってる

July 22, 2019

京都アニメーションにお悔やみを申し上げたくて

なんという事件だろう。
美しいものを作りたい一念で集まっていただろう人々にこんなことが。
亡くなった方々の無念、遺族の想い。
とても察しきれるものではない。
命はかなし。しかし、形を変えてまた生き続けると信じたい。




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August 10, 2018

Rik Indioの"Te Voy A Enamorar"偏愛につき

サルサにはさまざまなテイストがあって、時代や地域によって単純に同一のカテゴリーにいれてしまっていいのかと迷うほどに幅が広い。そのような中で、よく話題になったのが「サルサロマンティカは是か非か」というテーマだ。ロマンティカはメロディアスでポップな雰囲気を持ったサルサで、セルジオ・ジョージというニューヨークのプロデューサーが手掛けた作品群がその代表とされている。私がサルサにはまった直後あたりにその怒涛の進撃がはじまって、最終的に私は仕事をやめた。こんないい音楽があるのにパソコンに向かってデータを入力しているのは生物として間違っていると思ったからだ。一曲あげるとすれば、インディアのEse Hombreがその犯人だ。



彼女のアルバム"Dicen que soy"はどれもとりこぼしのない名曲ぞろいだったけれど、"Ese Hombre"の「なんてやつだ、私を裏切りやがって・・・!!」という絶望的な演歌っぷりは言語を超えた魂の叫びとしてすさまじいインパクトがあった。

もうひとつ、この曲で私が学んだのは「暗いテーマでも曲調は明るく終える」という一種の美学だ。これはラテン音楽すべてにあてはまるわけではないが、重いテーマ、暗い内容であっても、最後はマイナーコードをメジャーに転換することによって後味を軽くすることがよくある。この映像でいえば3:21がその転換点にあたる。これはブニュエル監督の映画「サルサ!」の肝であった「かなしみは笑いで隠せ」的なセリフに相通じる感性だと思う。

キューバからもものすごいバンドが次々来日するような時期で、むさぼるようにディスクユニオンでサルサの音源を探していた当時に比べれば、現在は曲探しは格段に楽になった。そのぶん名曲にであったときの感動はよくも悪くもうすれている。苦労しないで手に入ったものは味がうすい。そして、あのころ衝撃をうけたような曲にはもう出会えないのだろうかという気持ちになっていたことも否めない。

ところがそういう私のさめた気持ちに喝をいれたものすごい曲が2015年になってとうとうあらわれた。上記インディアの曲に匹敵するインパクトをうけたのは、あれ以来はじめてかもしれない。それがRik Indioの"Te Voy A Enamorar"だ。



これをきいたときは、セルジオ・ジョージが復活したのかと本気で思ったよ。なぜならピアノのたたき方、コードの展開があまりにもそっくりだったからだ。

この映像の解説に"salsa super romantica"とかいてあるのはまさにそのとおり。ロマンティカのなかでもことさらロマンティカなのだ。プロデューサーはEfrain Davila。曲の作り方をみればセルジオ・ジョージの跡継ぎといっても過言ではないだろうと思う。彼はミュージシャンとしては二世で、そのフェイスブックにはラテン界における立派すぎる人脈がみてとれる。Rik Indioに関しては「私の才能あふれるbrother」と書いてあって、このブラザーが血のつながりがあるということなのか、それとも親友という意味なのかはいまのところわからない。彼が演奏してるシーンがところどころ投稿されているけど、めちゃめちゃやっぱいいですよ。興味のある人はフェイスブックつないどきます。

コメントにはこの曲のことを"enough to satisfy the hungriest salsa lover"と述べているものがあるが、まさにいいえて妙。サルサの好きな人間はいつも名曲に飢えている。それは曲としてきいて美しく、踊って陶酔できるという両方を兼ね備えたものがそうそうないからであって、"Te Voy A Enamorar"は双方を完璧に満たした稀有な完成度を誇っていると私も思う。

このような曲を前にして「ロマンティカは甘すぎてちょっとね」と顔をしかめる人間のことを私は信用しない。この曲をばかにする人間は、はっきりいえば恋をしたことがないのだろう。恋をすれば誰でもばかでおろかでかっこ悪くなる。ロマンティカのもつ軽々しさ、あまったるさは、恋をしたとき特有の人間の情けなさを表しているとしか私には考えられない。

名曲が名曲である理由はあげたらきりがないけれど、この曲はまず歌いだしがいい。クリアで切なく、これまでやっていた作業の手をついとめてしまうような「お酒はぬるめの燗がいい」スタートなのだ。

次が1:00からのサビの華やかさだ。これがRikの声質に抜群にあっている。これにリズムをメロディーをかねるピアノが加わってなおのこと胸がしめつけられる。

そしてほら、あるよやっぱりマイナーからメジャーへの転調が2:37に。そっくりでしょう、インディアの曲と。

とどめが2:45からのコーラスの導入だ。サルサは後半に必ずこのコール&レスポンスが入る。アフリカ音楽の名残である。この曲はそのコーラスのハモり方が半端なく美しい。天上から大天使の一団が舞い降りたような重厚さ、品格がある。もちろんメロディーも文句なし。これは本当に、名曲中の名曲というしかない。

それなのに、3:30からまた新しい展開を付け加えてくれるのだ。もういいのに、十分なのに、また装飾を加える。そしてそれが全然余計じゃない。期待していなかったデザートがもう一品シェフのはからいでついたようなものだ。コンサートでこれをきいたらついに失神するのではないか。

以上、Rik Indioの"Te Voy A Enamorar"偏愛につき述べてまいりました。まだしばらく私はこの曲だけでいいです。え、この曲はオン1向けかオン2向けか、だって?


うるせいっ!!!!



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February 27, 2013

これがクラブでかかってる その15:ソノーラ・カルセーレス

今日は明るい曲調で人気のソノーラ・カルセーレスとアドレセンテス・オルケスタの代表曲を使って踊りましょう。

ソノーラ・カルセーレスはコロンビアのバンド。1960年前後のごくごく短い期間に流行したブーガルーを現代に蘇らせました。

ブーガルーは流麗で豊穣なマチートやティト・ロドリゲスのマンボに端を発しながらよりストリート感覚あふれるサウンドで、空き缶をチャンチャカチャンチャカ鳴らすような騒がしいリズム、メジャーの音階、英語とスペイン語の混在した歌詞が特徴です。ニューヨークのスパニッシュ・ハーレムに暮らしていた若者の日常をそっくりそのまま音にしたもの、と解釈すればよいでしょう。

ソノーラ・カルセーレスは当初ブーガルーを前面に押し出した曲作りをしていましたが、現在はコロンビア人好みの疾走感あふれるハイスピードサルサを何より得意にしています。

ソノーラ・カルセーレスの代表曲といえばなんといってもミカエラと・・・




カチョンデアでした。




そしてそれを上回るほどのヒットになったLa Salsa LLego。
スピード感溢れるコロンビアサルサダンスにぴったりのチューン。




今、代表曲といえばLa Salsa la Traigo Yoでしょう。これがかかればフロアは間違いなく爆発します。ソノーラ・カルセーレスはとにかく元気いっぱい、生命賛歌の気概に満ちあふれているのです。




そして曲が人気なのかPVが人気なのか・・・Al Son de los cueros。同じフレーズを延々と繰り返しながらトランスに持ち込んでいくことができるのはバンドの実力の証。





コロンビアの人々が女性の躍動的な美に対してどれほど肯定的であるかがわかります。この映像は一般的に人々がサルサを漠然とイメージするときの「あのあれみたいなヤツ」を体現した「夢のビデオ」と言えるかもしれません。

アドレセンテス・オルケスタはベネズエラのバンド。彼らについてはこちらをご覧ください。

それではスタジオでお会いしましょう!




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February 24, 2013

これがクラブでかかってる その14・・・ビクトル・マヌエル第2回

ビクトルマヌエル










威勢のいい「えええええ〜〜〜〜っ」の掛け声で存在感を示すプエルトリコの兄貴。クラブで人気の曲をご紹介するこのシリーズ、第一回は2006年5月にこの人で幕を開けました。それから7年の月日が流れ彼のヒット曲は順調に増えています。

先日レッスン後の飲み会で生徒さんの好きな曲を鼻歌で教えてもらいました。そこに登場した一曲がビクトル・マヌエルでした。そんなわけで今日は「アニキの今」をテーマにお送りしたいと思います。ヒット曲の多さとコンスタントぶりで他の追随を許さない、まさに「働くお兄さん」といったところです。
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February 12, 2013

「はい、そうです」

昨日飲んでいたら「Yes I do」の曲名は何かではまり、「"Yes I do"じゃないのか」「なわけないだろう」「"Crazy for you"はどうか」「検索がヒットしすぎてわからん」と場が荒れてきた。

そこで最近すっかり有名になっている「今かかっているこの曲は何か」を探すアプリ"Sound Found"を立ち上げて

それに向かってみんなで歌うのはどうか


ということになった。

この「みんなで」というのはもちろんサルサバンドのオーケストラっぽさを鼻歌の人数で表現する作戦である。

そこで冒頭の「パっ パラっ パラ パっ パっ パっ」をクラリネット?オーボエ?っぽいモコモコした声で歌ってみたが

ヒットせず

次に

I still love you baby, Yes I do!!


と高らかに歌ってみたが

10秒以上歌わないと探せないそうな。

すっきりしないまま会はお開きとなり

家でCDを探してそこでまたもはまって朝になりたくない自分は早々に車内でマイパッドと向き合った。

そしてあっさり"I still love you"であることが判明。皆さんご存知のこれ。誰もが"Yes I do! "と叫んで通じてしまうためタイトルがおざなりになる典型です。





くしくもこの記事は久しぶりの「これがクラブでかかってる」になってしまった。進行中のカテゴリに格上げである。


さて、今日はOn2の日でして、レッスンではたとえばこんな練習をしています。




「On1とOn2ってタイミングをずらすだけでしょ?」ときかれたときなんて説明すればいいんですか、と生徒さんによく聞かれるのですが

On1はマラカスやギロのような1/3/5/7を強調するリズムに焦点をあわせ
On2は2と6を強調するコンガに焦点をあわせた踊り方です

と説明しただけで「なるほど」と思っていただくわけにもいかないんだろうなと思い

「On2のステップには1のタイミング重視で躍る部分をしょっちゅう混ぜます。その行き来の妙が楽しい」

みたいな説明も一つありかな、と思ってます。On2が難しいといわれるのはおそらく「だからといって1のタイミングを使わないかといったらむしろよく使う」というところにあるんじゃないかと思うのです。

この練習はオープンシャインに入ってからパチャンガのムーブメントを用いて、そこからスイングを使ったポジションチェンジを行っています。

パチャンガもスイングもOn2ならではの作法です。

相方のELLIEちゃんのパチャンガタイムの腕の伸ばし方は相当よいです。ここまで自然にはなかなかできない。

ただしスイングは滑りました。ワハハハハと笑っているのはそのためです。

スイングにはみんな苦労しております。ワタシも。十分なポジションチェンジを満たすことがまずは重要ですが、最終的には回転の際体が宙に浮く感じを出したい。太ももふくらはぎ足首。腹筋背筋。まだまだまだまだー。

そんなわけで今日もがんばりましょーね。女性の飛び込み歓迎です。



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July 30, 2006

これがクラブでかかってる その13・・・ティト・ニエベス

「音楽は私の天職だとわかっていた」と彼は言い切る。

「どうすればファニアのメンバーに入れるのか。

そのことだけしか考えられなかった」


いまや彼を出せばみんながひっこむ。

ただしお腹はひっこまないぞ。

腹囲・貫禄・レパートリー 三拍子揃った

「サルサ界のジョーカー」・・・Tito Nieves

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July 09, 2006

これがクラブでかかってる その12・・・ヒルベルト・サンタ・ロサ

新聞配達を二週間。

これが彼の人生における音楽以外の唯一の仕事だった。

「ジェントルマン・オブ・サルサ」

・・・Gilberto Santa Rosa


 

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June 27, 2006

これがクラブでかかってる その11:ジェリー・リベラ

20年も歌ってると、サルサも飽きるぜ。

 

「サルサ界のプリンス」「黄金の子供」

そしてそのまんま「童顔」

そのお顔のかわいらしさと父がミュージシャンという

サラブレッドぷりから、やっかみも含んだ様々な愛称を持つ

プエルトリカン・ボニート・・・Jerry Rivera

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June 12, 2006

これがクラブでかかってる その9:モンキー&アレッサンドラ

バチャータ。

うんとこどっしょい、すんとこどっしょい、と

四拍子でひたすら左〜右〜左〜右〜と揺れるダンス。

技?必要ない。

リード?しっかりと胸にかき抱けばよ〜し!

「おばあちゃん、バチャータはどうしてそんなに
シンプルなの?」

 「赤頭巾や、それはね、な〜んにも悩まずお前を口説く
ことに集中するためさ」

 

 

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June 09, 2006

これがクラブでかかってる その8:エディ・ヘレーラ

 「メレンゲも好きだよ」という言葉はどこか胡散臭い。

でも、この男の声で踊るメレンゲはときにサルサの

快感を凌駕する・・・Eddy Herrera

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