February 16, 2019

ひとつのおわり

今日がそういう一日でした。

父が亡くなって、その後始末で非常に忙しくなったのを機に、五年続けてきた内職を休止しました。もうこれでおしまいか、大変だったけどやりがいあったな、という寂しいおもいも残して雇い主に連絡したところ、どんなに仕事がちょっぴりでもいいから籍を残してほしいという有り難い引き止めを頂戴し、無期限の休養を頂戴していまにいたります。

札幌ツアーの主催がありますし、ロサンゼルスにチームで行くという大仕事もあり、この上半期はハンパなく大変だぞというプレッシャーは確かにあります。でも、それより何より、やっぱりこどもなのです。本当に毎日毎日よくまあこんなによりどりみどりで私を悩ませてくれる。

今日は「こんな家にうまれなければよかった!!!」と叫ばれました。四歳に。

いまは子育ての本や漫画がいろいろありますから、この時期のこどもが「悲劇のヒロインになりたがる」ということはかろうじて知っていました。知らなかったら、マジメちゃんの私は心が折れていたかもしれません。

私は妊娠半年の頃に内職をはじめました。ダンスインストラクターは会社員ではありませんので保育園争奪戦に弱い。何か社会的後ろ盾がないと入園は難しい。そう考えてはじめたのです。実家は遠く、もし子育てを一人で行えば私はきっと孤立する、心身の健康を損ねる、とわかっていました。それに、こどもが多くの人に出会うことはよいことだと思っていたのです。

それはあたっていましたが、内職とダンスの両立は想像を絶する激務でした。私はいつも締切に追われる毎日となり、妊娠後期から、出産を経ていまに至るまで、「一日こどもと心置きなくすごす」ということが一度もないまま五年の日々を送ってきました。

不眠、首のいたみ、不安感、焦り、何よりこどもとの時間を楽しめない。カレンダーには毎日「5」「6」「7」「8」とノルマが記入されており、一番多いときで「12」のときもありました。腰痛、肩と腕の痛み、こどもの泣きわめき。つらくてつらくて、どうにもならないと思ったことも何度もありました。

それでもサルサのレッスンの質は維持する、とそれだけは絶対に譲りませんでした。不思議とレッスンの間は体調の悪さを忘れることができるのです。生徒さんの身体をみることに集中していると、我を忘れる。

ご縁のある方がサルサの世界に私を引っ張り戻してくれ、そのあと様々なことがありましたが、私のレッスンを支持してくれる方が常に私をささえてくれ、組んだコーディネーターが私のいたらないところを責めずに待ってくださって、いまはすべてのレッスンが軌道にのり、順風満帆です。皆様のおかげです。

そして、十数年前の市川時代に生徒さんだったバリさんと幾度ものミーティングを交わした末に、先日のツダサルが大成功をおさめました。私はこれからおそらく千葉の地を離れることがなくなりましたから、そこで長く開催できるイベントを立ち上げることには大きな意義とやりがいを感じます。だから本当に力を尽くして準備をしましたが、それでも頑張り度合いはバリさんの半分にも及ばないと思います。人が何かひとつ、人生をかけてこれをやりたいと思ったときのエネルギーはすさまじいものがあります。ポエたまのギンさんしかり、バリさんしかり。二人とも私のもと生徒さんであり、その二人が私を通じて夢をかなえていることを喜びたいです。

イベントをやるときはいつでも本当に緊張するものですが、ツダサルにいたる数日間は、もう本当に、完全に眠れなかったなあ。ただ、私は津田沼には母集団はあると確信していました。それは両国時代に、津田沼に帰宅するお客様が一定数いたことを覚えていたからです。嗅覚というより単純な経験値です。

それから十年くらいたって、いまや津田沼は千葉県でもっとも暮らしたい街にまでなりました(ここか、印西のどちらかなんですね)。だからツダサルはいける、とほとんど確信していました。

予想をはるかに上回るパーティーが実現し、私はお客様の満足のこと、それにバリさんのこと、2つの意味で胸をなでおろしました。そこで産後はじめて、内職のノルマとイベントのプレッシャーの両方から解放されたわけです。これまではこの2つがともになくなることは一度もありませんでした。

打ち上げを終えて帰宅したあと、自分の体におこった変化は信じがたいものでした。私はノルマとプレッシャーで身体のあらゆる関節や筋肉がギュウギュウに縛られていたことを
、その夜はじめて自覚しました。それがパチン、パチン、と音をたててほどけていく感覚でした。よくやった、よくやったのだと、この夜は心の底から思えたのでした。

それから2日間、私はこどもに「いっぱい遊ぶぞーなんでも好きなことやっていいよー」と宣言して、遊びまくりました。産後はじめてです。そして、こどもがいちばんやりたいことは近所の公園で日がくれるまで私と遊ぶことだと知りました。動物園でも遊園地でも買い物でもレストランでもなかったのです。

そこには他のこどもも絡んできて、大きな声でうたったり、本気で追いかけっこをしたり、もう足がガクガクするほどの運動量でした。

同じ一日の中に「こんな家に生まれてこなければよかった」と、丸一日公園で遊ぶ、が共存しているところが子育ての現実なのであって、こどもが何かやたら大げさなことを言うときというのは、心が大きく変化、成長しているときであるのだということはなんとなくわかるのです。私は自信をもって「ばーか。おめーほどいい家にうまれたやつは世界中のどこにもいないよ。」と言い返せるのでした。

こどもはこれからも私になんだかんだと難癖をつけてくるのでしょう。でも、ノルマとプレッシャーから解放された私は、多分いままでよりもっとずっといいやつ、でかいやつになれると思うのです。こどものことをきいてやりながら、みてやりながら、堂々と、かーちゃんの真似をしていれば間違いない、と背中で示してやりたいと思います。







salsaconsul at 21:44│Comments(6)■SALSA FRESCA泣き笑い 

この記事へのコメント

6. Posted by RIO   February 28, 2019 16:36
>>5 みたみた!ほんとに若いメンバーがたくさん集まっているんだね。こっちからそっちにいくのも、そっちからこっちにくるのも、どっちも楽しいだろうなあ。楽しみにそのときを待っています!「生徒さんが楽しんでいる姿を見る方が嬉しい」その気持ち、すっごくよくわかります。人の笑顔を見ていると自分が元気になっちゃうんだよね。
5. Posted by オオハシ   February 21, 2019 23:32
激励ありがとうございます。仲人目指して頑張ります。。教える立場になり感じることは、正直自分が踊るよりも、生徒さんが楽しんでいる姿を見る方が嬉しいなと。

伝え忘れましたが、私のサルサ教室はこちらです。https://www.meetup.com/ja-JP/osusalsa/

いつか生徒さんとリオ先生のクラス、イベントに遠征できたら面白いですね。名古屋サルサの未来を勝手に背負いましたので、引き続き頑張ります(笑)。
4. Posted by RIO   February 21, 2019 16:11
>>2 若い先生の顔をみて、私もやりたい僕もやりたいっていう後輩が育つ。とっても価値ある活動をしていると思うよ。そして、その生徒たちのなかからいずれきっと結婚するカップルがでて、オオハシ先生に仲人を頼んでくる笑。私の生徒からまた一人先生が現れているんだねえ。すごいすごい。誇らしいです。サプライズっていうか、すごい大きな声で「いっくよーっ」って言いながら名古屋に行かせてもらうね。オオハシ先生のサルサはコロンビア仕込みでビートが完璧に刻まれていて腹筋が強くて、最高だってめいっぱい背中押してあげる。がんばれ!!
3. Posted by RIO   February 21, 2019 16:01
懐かしい少年、いや、もう青年か、いや、もう家族持ちだからそれも違うか!!!からメッセージがきて感動しています。そうか、教室をはじめたのね!そりゃいっぱいくるでしょ、オオハシ先生のところだもの!
2. Posted by オオハシ   February 21, 2019 00:58
私がリオ先生のクラスに初めて参加したのは2007年4月、秋葉原でした。当時23歳で若い若いと言われましたが、12年たった現在も若いと言われるのは、日本のサルサ業界は当時の世代のまま年齢を重ねているなとつくづく感じます。
やはり私の世代30代、その下の20代のサルサ人口を増やすしていかなければ、名古屋のような地方は本当に厳しいです。
今私の教室では、男性の最年少が23歳、女性の最年少が21歳ですが、サルサを楽しんでくれており、ぜひこのまま続けてもらえれば、あわよくば友達にも伝えてもらえれば等と思っております。
リオ先生のサルサは知らぬところで名古屋の若者達にも伝わっています。これからもお体に気を付けて、東京、千葉、関東、日本のサルサを盛り上げて頂ければと思います。
もし名古屋に来る機会がありましたら、是非FBの方まで連絡下さい。サプライズ講師お願いします!!名古屋飯ごちそうしますので。。また、生徒さんで名古屋に来られる方いらしゃいましたら、クラブも案内しますので、私のFBを伝えて頂ければと思います。
なかなか東京に行く機会がないのですが、また先生のイベントに参加できればと思います。長文失礼しました。
1. Posted by オオハシ   February 21, 2019 00:58
リオ先生ご無沙汰しております、大橋です。今回の記事を読みまして、是非先生に報告したいなと思い長文失礼します。
昨年1月から地元愛知県に戻り、現在は名古屋市内で働いております。こちらも昨年の11月からになりますが、20代、30代向けのサルサ教室を月2回主催しています。最初は生徒さんが本当に集まるのだろうかと不安でしたが、8回目を迎えた前回は15名もの方に参加頂き、どうにか軌道に乗ってきたかなと思っております。
名古屋サルサについてですが、年齢層が高く、毎回同じ顔ぶれというのが現状です。ただし、女性陣のレベルは非常に高いです(男性はそこそこです。。)。毎週末エルココというクラブに通っていますが、これではいけない、このままでは名古屋サルサが終わってしまう、これは自分がどうにかしなければという大いなる勘違いから、現在に至ります。

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