September 01, 2017

夏の終わりのハーモニー:その3

子どものことです。4月に引っ越しをしてから、すぐに新しい保育園に通わせはじめました。私にはあふれるほどの仕事が控えているのです。子どもはたくましく、活発で、よく笑いよくしゃべる子ですので、なんだかんだいってどうにかなるだろうと楽観的に考えるようにしていました。そして、結論からいえば、今、楽観的に考えたとおりの結果になっています。問題は

そうなるまでに四カ月かかった

何があったかというと、すさまじい癇癪をおこしていました。雨戸を震わせるような泣きわめきです。私が終始べったり自分のことを見ていてほしい、かまっていてほしいというわけです。掃除や洗濯や料理も許しません。ある朝、私がレッスンパフォーマンスその後のつきあいもろもろでほぼ死んでいるときに奴は私の目をこじあけ顔をぶんなぐって起こしてきました。私はこのときばかりは飛び起きて、子どもの手首をしこたま指三本で打ちました。奴は壁も屋根も振るわす勢いで泣きわめきましたが私は布団をかぶって寝ました。次に殴ってきたら今度は頭突きでふすままでぶっ飛ばすと思っていましたが、さすがにこわかったみたいでただただひいひいわあわあぎゃあぎゃあ泣いておりました。眠れるわけがないです。

以前の保育園では連れていくが早いか勝手に遊び始めていたのですが、引っ越ししてからは連れていっても私から離れなくなりました。おんぶしろといって背中にべったりです。いつまでたってもです。最後はふりほどいて、床に大の字で転がってなく子どもにバイバイする毎日が続きました。これは本当にこたえました。多くのおかあさんがこれを経験されるのですが、各自各様にこれはこたえます。特にこれのあとでレッスンやイベントがあるときは本当に参ります。笑顔になれないのです。子どもはストレスを、車の機器をさわることで発散しようとしはじめました。いくら危ないからやめるように言っても全然だめで、とうとう走っているときにギアを動かしたときには絶叫レベルで怒りました。狭い車内で泣きあいの怒鳴りあいです。本当に、これも、参りました。

駐車場ではふざけたり走ったりしないようにということを子どもに教えるのも、これまた非常に苦労しました。あるとき、買い物した帰りに車にのせようとしましたが、子どもは帰ると私が家事をするのを知っているので帰りたがりません。いつまでも駐車場であっちこっちぐずぐずとごねるのです。これがあまりに危ないので、わたしはまたしても何度目かでブチ切れました。そしてぎゃん泣きする子どもをそれこそ車にぶち込んで帰りました。こういうとき落ち着いて運転するのは、パフォーマンスで冷静に呼吸を整える訓練としてこれ以上ないよい機会です。シートベルトなんか勝手にはずして車から転がり落ちかねない騒ぎを、奴は繰り広げていました。

その翌日ですが、偶然、事故にあってひしゃげた車をレッカー車がひっぱってくる現場に遭遇しました。「ほらね」と私は言いました。「車がごっつんこするとこういうふうになるんだよ。」子どもはしばしだまって、やがて

こわい

と言いました。ほら見たことか。そうだそうだ、かーさんのいうことをきけ!!!!わははははは!!!とわたしは思ったものです。
そして実際、その日を境に子どもは車対応に関して急激な変化をはじめたのです。かーさんのいうことには一遍の真実があるということがついに奴にわかったようでした。

ことばも発達し、どうして泣いているのかが自分で説明できるようになってきました。そのそれなりに一生懸命の表現にはがつんと、強烈な痛みを覚えるようなこともありました。保育園でバイバイをするときにはすごくさびしい、というようなことをいったこともありました。あんまりあわれな表現だったので、かなしくて忘れてしまいました。最近になって、保育園の遊びで順番待ちをするのがつまらない、それで先生に怒られるからいや、と言ってきたことがありました。幼稚園が母体の保育園なので、以前のところよりも規則や順番が厳しいのです。私はうーん、そうかー、といってから「そのうち慣れるよ」と言いました。なんとなく、それが一番いいこたえのような気がしたからです。

その日の帰りのことです。担任の先生がやや興奮気味に、子どもがほかの子どもたちを拒絶しないで一緒にはじめて遊んだという報告をくださいました。これまでは一切、クラスメイトに挨拶されても返事もせず、一緒に遊ぶことも極力避けて逃げ回り、先生とだけ一緒にいたいという態度を隠しもしなかったのでした。それがついに、ほかの子どもの問いかけにこたえ一緒におもちゃを使ってやぐらを組みたてたというのでした。私はうーんとうなりました。子どもが引越しと転園でストレスを感じていたことを、このときはじめてちゃんとわかったからです。この四カ月が「あっという間」だったとは、私はこの先いつまでも言いたくない気持ちでいます。

ほんの数日前、子どもは朝の車の中で「今日は○○ちゃん泣かないからね」と宣言し、本当に泣かないで保育園の輪の中に入っていきました。そういうとき、喜びと、なぜか強烈な寂しさを味わうものだということも、私ははじめて学びました。



salsaconsul at 16:56│Comments(0)■SALSA FRESCA泣き笑い 

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