July 30, 2013

「カツ丼食うか」「私もやりました」

先日サルサ仲間と飲んでたとき、インストラクターに「お上手ですねー」と言ってしまう話が例によって出ました(例によってというのはこの話題はまあ飲みの席の定番といってよいからであるよ)。

まだこの状況がいまいち飲み込めない新人さんに痛みをこらえて解説しますと

 サルサを踊りにいくとランダムにいろんな方と出会います。 その中でやっぱりなんだかぜんぜん違うよこの人っていう人が場に何人かおります。完全な新人さんはとにかく様子見様子見なので事故の確立も少ないわけですが、一年くらい踊ってきた男子がそろそろ勇気も育成されてきて脇目もふらず女性陣に猛攻をしかけるうちそうと知らずにインストラクターに特攻する事故が起こります。

先輩たちはこれをあたたかく(場合によってはなまあたたかかく)見守っています。過去の自分の残像を重ねているわけです。

インストラクターはたとえプライベートで遊びに来ていたとしても半分は営業の顔で踊ってますので新人さんでも、というか新人さんだからこそいい顔で踊ります。

一〜二年男子はそのフォローのうまさに驚きあきれ感激のあまりこう言うのです。

 「お上手ですねーーーーー」

場合によってはここに指差しマークとか、最悪ウィンクなんかついてしまう場合もあります。

先輩たちはその痛みを我がこととしてクラブの中心で「よくやったーーーー」と叫んでいるわけです。

インストラクターはここで「ありがとうございます」あるいは「(にっこり)」で応えます。ここで「恐れ入ります」というのはものすごくキャリアの長い有名インストラクターで、事故というより惨事に該当します。

ここに「どこで踊ってるんですか」または「どこで習ってるんですか」が続きます。いわば運命の分かれ道です。

これが「言っちゃった」略してICTのあらましで、驚くほど同じ筋書きでストーリーが進んでいくのが特徴です。
 

そのほかICT定番としては

サルサ歴二〜三年女子
による

「もうほとんど大方の男性とは普通に踊れるんですけれども」


および

サルサ歴三〜五年前後の男女
による

「僕(私)は上手な方としか踊らないことにしているので」

があります(後者は場合によってもっと早い段階で表面化する方もいます)。 いずれも先輩たちはクラブの中心で「言っちゃったーーーー」と叫んでいるわけです。ただ大音響にかき消されて本人の耳には届いていない。

ICTの烙印をお尻(過去)に持つ人はサルサ界で驚くほど多く、笑い話というよりもむしろ登竜門といったほうがいいのかもしれません。「自分はかつてICTであった」と気づく瞬間とは、自分の知らない世界がその先にあることに気づいた瞬間。 男女とも「この轍を踏んだことに気づいた人」がコマを進めるのです。

上達する過程で一瞬、ちょっと上からの立ち位置に立った気になる瞬間があります。その踊り場でいい気分のまま余生を送るか、その先の「恥」というドアを開けるかどうかという。 そんな話で盛り上がっていたのでした。



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