October 22, 2012

BGMとしてのサルサ

今日は思いがけないところで「サルサ」の一文字を見つけて驚いた話です。

街を歩いていてサルサ音楽を耳にすることはそんなに多くありません。サルサファンなら誰でも知ってるKALDIコーヒー(入口であまーいコーヒーをサービスしてくれる食糧雑貨店)での定番BGMを除けば、メキシコ料理店でかかっているくらいじゃないでしょうか。

サルサはアドレナリン系統音楽なので、リラックスよりもハイテンションの状態を呼び起こすのですね。マラカス、クラーベ、コンガ、ボンゴといった振り物・叩き物は心臓をバクバクさせますし、特にティンバレス(ティト・プエンテがジャカスカやってるあれです)があげあげですからね。だからこそワタシはここでかつて「ボサノバはずるい」とぼやいたことがあるわけで。

リズムのほかにボサノバがBGM界で絶対的優位にたつと思われる理由があるんですよ。スペイン語とポルトガル語の違いです。

スペイン語は巻き舌と母音の言語です。テキーラ!ボニータ!ムチョムーチョ!だからサルサはいやおうなくこってりしてくるんですな。それに対してポルトガル語の発音は

「〜〜〜〜のシュカ〜〜〜〜」

「ホニャララのヘ〜〜〜〜」

みたいな感じでふわふわほげほげしてるんです。和みたい、癒されたいなんてときにはどうしたってこっちですわね。

そうするとですよ、オツカレモードの昨今はますますもってボサノバにBGMをさらっていかれることになります。そりゃアッシだってボッサは好きですよ。

だってボッサは全員好きだもん

だからといってサルサファンの裾野が人気のカフェから広がらないってのはもったいない話じゃありません?今FANIAのコンピレーションをきいてますけれどやっぱりすごいですもん。暗さと熱さのマッチング。いちがいに音楽は幸福だとばかり言ってられない切実さ。やっぱりこれは魂の音楽、ラテン・ソウル・ミュージックとしかいいようがない。そんな中、オイラは衝撃の一文をまさかの場所に見出したのだ。

読者の皆様は恵比寿のヌフカフェというところに行かれたことはありますでしょうか?ふるーいビルの九階にある名物カフェで「うちカフェ(誰かの家に遊びにいったような雰囲気が売り。中古の家具、不統一の椅子、手作り感あふれる床や壁など不完全さとほのかに漂うDIY感覚が魅力)」の走りの一軒といわれています。そのオーナーである武田康伸さんの著書『ヌフカフェはなぜ潰れないのか?』を読んでいたら「武田流カフェ開業講座」というコーナーに

「カフェには、ボサノバ、ジャズ、サルサなどの音楽が合いやすい」

とあったのだ。この方はカフェ界の超有名人であるからして、間違えてこんなことを書いたはずがない。そんな人が「サルサがボサノバやジャズと並んでおすすめできるBGM」とおっしゃっている。レゲエもポップスもコンテンポラリーもさしおいて・・・ほんとに?!

オイラはラテアートしてくれるようなカフェでサルサ聞いたことなんて本家本元ニューヨークでさえも一回もないのに!

本当はあちこちのカフェでサルサがかかっているのだが、オイラの顔に「ワタクシはサルサが仕事でございますので、くつろぎの時間にはボサノバを所望するものでございます」と書いてあって、オイラが入店した瞬間にサルサはボサノバにチェンジされているのだろうか。なわけがない。

そこで考えた。武田氏は江ノ島にビーチハウスカフェといって海の家のカフェ版を夏の間オープンされるそうで、その環境だったら確かにサルサはぴったりなんである。もしかすると武田氏は海でサルサをきかれたうえでカフェのBGMによい、とおっしゃっているのかもしれない。

とにもかくにも、だ。ソウルバーにソウルファンが、レゲエバーにレゲエファンが、ライブハウスにロックファンが、ジャズスポットにジャズファンが、サルサクラブにサルサファンが、いわゆるクラブにヒップホップやハウスのファンが集うのは当然として、なんの冠言葉もつかないカフェにサルサがかかる可能性があるのかどうなのか。オイラは切実に知りたいし、そんな場所があるなら即刻とんでいきたいと思う。

どんな照明で、どんなインテリアで、どんな客層のもとそれが実現するのか。そこはくつろぎの場所なのかヒップでエキサイティングな場所なのか。ほかのジャンルの音楽とのミックスの度合いはどうなのか。人々はそれをきいて和むのかそれともあがるのか。商談ははかどるのだろうか。踊りだす人はいないのだろうか。

そのとき居合わせた人々はまたやってきたいと思うのだろうか。食べログに「再訪はなし」などと書かれたりしないのだろうか。被害妄想ではない。好きだからただただ心配なのである。

そんなことを考えながら、休日であるはずの月曜日を過ごしている。そろそろボサノバでもかけるか。




2012-10-22_142216












『ヌフカフェはなぜ潰れないのか-武田康伸のカフェ経営哲学』
武田康伸著 河出書房新社





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この記事へのコメント

2. Posted by RIO   October 23, 2012 06:35
ラーメン✖ラテンジャズ。その心は「一口目までちょっとだけ不安」ってとこかな。
ガード下は「アイアイアイアモール」的な物哀しいやつがずっとかかってるんだろうか...胸は痛むが再訪はなしだろう。
この投稿の破壊力もすごいよ。
1. Posted by MDR   October 23, 2012 01:20
市ヶ谷に会場があった頃だったので市ヶ谷付近だと思うのですが、ラーメン屋でバリバリのラテンジャズが掛かってたことがありました。アンバランス過ぎてビックリしてTwitterでつぶやいたような記憶が。

それから、有楽町から東京駅京葉線口にに向かうガード下のお店、いつ前を通ってもあまり客が入ってないのだけど、いつでも大抵サルサ、それもベタなやつが流れてます。

このガード下は、おしゃれに変貌したガード下ではなく、麻雀屋、ラーメン屋、外からは伺いしれないお店などが並んでいて、さらに公衆便所まであるような、かなりな「ガード下」なんだけど、何でサルサ?といつも驚いてしまいます。

意外な場所で聞くサルサには破壊力がありますね。

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