March 14, 2011

3月14日

想像をこえる報道内容に呆然自失の呈です。

首都圏のみんなは出勤と帰宅に大変苦労されたことと思います。
無事帰れましたでしょうか。本当におつかれさまでした。
今、数時間ぶりにカタンカタンという電車の通過音をききました。

みなさんそれぞれに「自分にできることを」という気持ちで今日を
のりきってこられたと思います。
何を書いても私事になってしまうのが心苦しいのですが、こういう
ときだからこそ印象深いことがやはりありました。

3月15日を一年の締めとする者にとってこの日付の重みは平時
であってもずしりとこたえるものです。
3月14日がホワイトデーなら翌日3月15日は一年で最大のブルー
デイ。まして今年は特別です。

書類の提出に出向いてみると、平時はなされている駅前出張所
での書類受付が今日はないという掲示がでていました。

こんな事態とはいえ締め切りは締め切りです。
歩くか、明日にかけるか、いや明日こそ大規模な停電か・・・心が
ゆれました。

私の前に書類をもってきたたくさんの人が数キロ先の税務署に
歩いて向かったに違いありません。
出口に向かいつつ逡巡していると、50代にみえる背広姿の男性
が足早に入ってくるなり、私の顔と手元をみて「確定申告ですか」
と真顔でおっしゃいました。

「はい」とこたえると「これから受付しますから」。

しかも「すみません、電車が動かなくてこれなかったものですから。
今、準備しますから」。

どこにでもいる「紺色の背広をきたニッポンのおじさん」です。
電車が動かないからこれなかった、といってしまえばそれまでなの
に、税務署経由で出張所まで、何十分もの待ちの果てにすし詰め
の電車にのって、あるいは歩いてか自転車でか、なんとかして出向
いてこられたのに違いありません。

「やるんですか」という驚きの声をあげた市役所職員が「本日確定
申告の受け取りはありません」という張り紙をはがしてまわりました。
あきらめかけた市民がユーターンして提出のための列を作っていき
ました。

このがつんと響く感じ。

「日本のおじさん」のすごさ、底力、誇りというか・・・書けば書くほど
言葉がいたらないですけれども、平時にもあるはずのものなのに
平時には見ることができないものを突然投げかけられたというか。
開ける予定のなかった部屋にかばん一つで踏み込んでいくあの
税務署のおじさんの後姿は長く忘れられない気がします。

いけるぜニッポン!

それでは、また明日書きます。












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