September 08, 2010

NOT NOW

ニューヨーク・サルサ・コングレス会場にはYOUTUBEで
おなじみの顔が次から次に通り過ぎてゆく。
一度に一レッスンではなくて、サルサ・ハッスル・バチャータと
三部屋いっぺんにレッスンが開催されて、かつどの講師も超一流、
しかも休憩時間は昼休みも含めてほぼ、ない。
体力と気力の続く限りフロアを走り回った。

初日の夜に生徒さんたちがパフォーマンスを披露したグループ
(コロ・ミヤーレ。傑作だった)の振り付け師・セコウさんに声をか
けると、翌金曜日にユニオン・スクエアでレッスンをやるからトラ
イしてみれば、という。コングレスそのものだけでいっぱいいっ
ぱいのスケジュールだけど、受けなくては後悔する。
ラテン音楽でジャズダンスを踊るのを目の当たりに見る機会は
あまりないような気がした。
スタジオの住所をメモに控える。絶対に間違わないよう、繰り
返し用紙とメモを照らし合わせ、復唱して確認した。

翌金曜日は朝9時からレッスンが始まり午後まで受講した。

いったんホテルにもどってシャワーを浴び、軽く仮眠をとる。

レッスンには余裕をもって到着したいから、ユニオンスクエアま
ではたった四駅程度なのだけどレッスン1時間前にはホテル
を出た。

ユニオンスクエアには中〜高級食材店のホールフーズマーケッ
トと24時間営業の大型薬局・ウォルマートの両方がある。
これだけでも相当便利だ。ぎらぎらした電飾がなくて、繁華街な
のに何かヨーロッパ的な落ち着きがある。あららいいとこなんだ
な、とあたりを見回しながら目的のスタジオに向かった。

縦のアベニューと横のストリートを組み合わせ、あとは番地の
番号をおっかけるだけである。目的の番地は125とあった。
偶数番号はここからだと通りの左側でよいようだ。あとは数字を
みながらのぼる。

ほどなくして125がみつかった。ニューヨークシティ大学。ガラス
に125という紙がはってある。中に入ってセキュリティの人に尋
ねるとここにダンススタジオはない、ということだった。

ええと・・・・

私はふら〜と表にでると、もときた道をもどりながら何かの表示
がないか目をこらしたけど、ダンススタジオらしいものは少しも
見当たらなかった。

最初に声をかけたのは135のネールサロン。隣の隣がそうじゃ
ないかといわれていってみたらスポーツジムだった。スポーツジ
ムで違うといわれて、インターネットが使えるところに心当たりは
ないかきいてみた。キンコーズにトライしてみたら、といわれて
表にでる。キンコーズはなくてあったのは郵送会社のフェデックス
だった。のぞいてみたけどおっかなそうなおねえさん二人が手
一杯になってたので何もいわずにひきあげる。

ダンス用品カペジオの経営するスタジオなので、ブロードウェイ
沿いに探してみようか、と信号を渡る。

かなり広いユニオンスクエアを半周して、まったく気配はなかった。
一日、このレッスンのために分単位でスケジュールをコントロール
してきたのだった。くやしくてとうとうちょっと涙ぐんでいると


「はーい、これ僕たちのサークル。ぜひ顔だして」


といわれてチラシを受け取った。


物質的欲望から自らの魂を解放する唯一の方法



とある。はあどうも、と通り過ぎようとすると


「はーい、君はどこからきたの?日本?
ボクはトム、君は?」



すごく透き通った目の背の高い、ちょっとヒッピーぽい感じの
男性だった。


「このすぐ近くにヨーコ・オノのマンションがあるよ。
ジョンとヨーコは知ってるよね?」



妙にふわふわした人なので切り上げるタイミングが掴みにくい。
第一切り上げようにも自分は行き先を見失っている。
彼はぺらぺらぺらぺらと話し続けた。


一瞬彼が息継ぎのためにだまった。よくやくこちらの言いたい
ことがいえそうだ。


"By the way, I'm lost."



ホワット?と聞き返すので


もう一度I'm lost、と繰り返して事情を話すと


それなら大丈夫。ぼくの妹はダンサーなんだ、といって私の持って
いるもう頼りにならない住所に向かってどんどん歩き出した。
いや、だから、そこはもう違うんだといってもきかない。

三回目に相当でかい声で、「そこはもういったけど違うんだって
ば!」といって「インターネットできるところ、知らない?」ときいた。
最初からそれが言いたかったのだけど言わせない人なのである。
えーと、うーんと、これがあるよ、とiPhoneを取り出す。それ貸し
てもらえないかな、といおうと思った瞬間、何を思ったのかまた
ふわふわとポケットにしまって道行く人に「誰かこのへんのインター
ネットカフェ知らな〜い?」と呼びかけ始めた。呼びかけるのが
好きな人らしい。みんな「ソ〜リ〜〜〜」といって去っていく。

そうこうするうちにユニオンスクエアから3ブロックも離れてしまった。
デッドラインである。もう一回自分で探すから、といって別れること
にした。トムは名残惜しそうにいった。



「えっと・・・これからショーンに電話しない?」




時計をみるとレッスン開始時間になっていた。ネット、ネット・・・え、

もしかして、私の一世代前のケータイでYAHOOってできるのかな。

ここへきて始めてもともとダメだときめてかかっていたものを使う
気になった。そうしたらこれが思いがけず手早く接続してびっくり
した。

うわあいかわらずアホだな自分・・・・・!!!

YAHOOの検索ワードにスタジオの名前を記入してクリック。
あっさりトップに表示された。
もどかしい思いでたどっていくと住所はようやく一番最後に表示さ
れた。


126・・・真向かい?!?!


私はいきなりダッシュした。





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