September 03, 2010

アメリカの風景:その2

が、本当にびっくりしたのは実はそのあとだった。
地の果てまで広がる砂漠のあとにはそうそうびびらないぞと
思っていたところに登場したザ・グレートプレーンズ。
「グレイト」および「プレイン」という言葉の意味を私はようやく
理解した。

な・・・なんなんだこのまん丸のつるつるの大地は・・・・・!!!!
宇宙の果てまでまるで左官屋がなめしたようにまったいらでは
ないか。それをパッチワーク状の畑にしているわけなのだが、
あれは我々でいうところの「畑」とは次元が違う。何を何倍に
すればああなるのかわからない。
私は機上でただただ口をあけるばかりだった。

これが上空からのながめとすれば、列車での移動に伴う気付
きはもっとゆるやかであたりの柔らかいものである。私はノース
カロライナではじめて「南部訛り」というものをきいた。なるほど
のほーんとしてまどろっこしい感じがあるけど、ぺらぺら早口
の人よりもつかれた自分の耳にはありがたいものだった。

くわえて列車の旅ではロスやニューヨークの繁華街ではもう
絶滅してしまったような昔ふうのいでたちのアフリカ系の人たち
に出会った。たとえていえば

いっちゃってるときのボブ・マーリー

が近い。そういう人たちが出発待ちの間に一服しに表にでて
たむろっているときのかげろうがゆらめくようなうつろな感じは、
空港ではけして見かけない類のものであった。

そんな人々がぎっしりつまった汽車の旅である。ところでアフリ
カ系のおばちゃんというのは概してつきあいやすい。全員が
ビッグ・ママの素質十分。そんななか私の隣にかけたおば
ちゃんはちょっと変わり者だった。席につくなりいきなりパソコン
とDVDを三つつみあげて入念に音声のチェックをはじめたのだ。
ヘッドホンからの音漏れをこちらに気遣って音量を調整している。
しかし思い切り全部外部に聞こえているのである。差込口が違
うのではないか、と指差したらオーライト、といって今度はうまく
いったようである。足元にはビールをつめたクーラーボックス、
それにサンドイッチにポテトチップともはや「自宅」。通路をはさん
だ隣のおばちゃんは半ば呆れ顔で

YOU'RE WELL PREPARED.
(やたら準備がいいのね)

と皮肉をいったものだ。


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