June 16, 2010

永遠の子供:その3

今朝の暴風はすさまじかったですね。ご出勤にあたった方は
大変だったでしょう。一転、日中の暑さはいよいよ本格的な夏
の到来を告げるものでした。シリーズはまだまだ続きます。



12日の関東もものすごい好天に恵まれ、まるで八月の
ような青空が広がっていました。

あわや熱中症かというDAISUKEくんでしたけれども
幸いリハのあとは瞳孔も閉じて、スタジオ入りの前に
ランチでもとろうということになりました。

ご飯にお味噌汁に焼き魚、という絵にかいたような定食が
我々の希望だったのに、土地柄どこまで行っても中華料理。
こんなときにユーリンチーやエビチリでもありません。あっさ
りしたものはありませんか〜〜〜。ようやく見つけたカフェで
ランチのメニューをきいてから入店しました。
ここが思いがけず名店で、淡い店内、広々とした窓、手作り
の薄味のお料理で、何かぎりぎりのところをよろめきながら
歩いているような二人をひととき緊張から解放してくれたのでした。

その日のお料理はトマトにひき肉とハーブとチーズを詰めて
オーブンで焼いたものでした。これという濃い調味料は入って
いなくて、自然な甘みがほのかに香る、というもの。この店と
料理に我々はいたく心打たれました。今日はこういうふうに
踊ればいいね、と。

ゲストの面々をみれば私たちがどんなに背伸びをしても
いたし方ありません。比較しないこと。いただいたチャンスを
感謝して受け取ること。ベストを尽くすこと。ほかの全てのこと
がそうであるように、あの日我々に課せられたこともごくごく
基本的なことでした。

スタジオ入りしてからの3時間の使い方は次のようなものです。
はじめの30分はそれぞれ自分のステップの確認。
次の30分は後半を重点的にペアで復習。
次の1時間で衣装の着用と髪・化粧。
最後の1時間は衣装を着た状態での最終チェックです。
DAISUKEくんは私を拾って場所を移動するところ、私はスタ
ンドスティルが最終的に一番クリアしたい課題になっていました。

女性のパフォーマーにとって、髪や化粧がうまくいくかどうか
ということはその日の出来栄えを決定づける要因になります。
いかに日常をひきずらないかという点に関してとことんシビア
でなくてはなりません。

しかし私などはこのへんが本当に苦手で、パフォーマンスだか
らといってことさらがんばるのはどこかこっぱずかしいのでは
ないかという感覚をなかなか捨てきれないタイプです。

私はサルサの前にフラメンコをやっていたのですが、頭を
こってりとなでつけたり、ずっしりかつひらひらとした衣装を
身につけるにつけ、なんともいえない窮屈さで息がつまる
ように感じたものでした。
あの格好を喜びとする方がやはりフラメンコを続けるべき
なのでしょう。私はもっと身軽に踊りたかったのです。

サルサはその点ずっと身軽とはいえると思うのですが、しか
し何かしかるべきコンセプトを表現しようと思えばそれに
見合った外見上の努力をこちらでも怠ることはできません。
今回はそういう意味で、これまでよりもずっと厳しい課題を
自分に課しました。

曲から描いたイメージは50年代です。体の手入れは一月前
から、当日はホットカーラーに整髪料三種、顔はもちろんの
こと露出した背中にも足にも化粧を施すという大事業でした。
運んだ化粧品類の重さときたら並大抵ではありません。
これらもすごい重さであるのはもちろんのこと衣装そのものも
ビーズづくしで相当にずっしりしています。
重さとの戦いもまたダンスと切っても切れないものです。

<続く>


salsaconsul at 23:21│Comments(0)TrackBack(0)

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