April 07, 2010

うますぎる話

今ちょっとばかし朝日新聞にはまっておりまして。
きっかけはかーちゃんが送ってきた食糧の間にクッションとして
はさまれていた「朝日歌壇」。何千通もの応募を勝ち抜いた句と
歌が左右各40ずつ掲載された、おそらくその世界で生きる趣味
人の間では「ここに掲載されれば死んでもいい」とまで崇め奉ら
れていると思われるページです。

どういうわけかこの入魂の40句・歌の渋みがやたら脳髄に染み
る。年とったらしい。すごいなーこれはいけてるなーというのが
確かにあるんだけれども、中でもまいっちゃったのがこれです。


のつそりと大工がしいたけ持つてきて
仕事ありませんかと言うて帰れり 



(埼玉県)小林淳子さん!!!!
素晴らしい!ぜひお会いしたい!

これはもう自分のツボ中のツボであります。この味この深みこの
時代性、イタさ切なさやるせなさあたたかさたまりません!!!

蛇足ではありますが、実はうちの実家が一時北海道から埼玉は
熊谷に・・・そう、あの日本の夏キンチョーの夏最高気温といえば
熊谷の熊谷ですね、そこに引越した時期が数年あってですね、
埼玉の奥のほうの風情といいますか、タンボ&赤城おろし&
やたら目的地に着けない道路のくねり具合といいますか、そういっ
たいわば「埼玉っぽさ」まで感じさせるほどにがつんときます。
非常〜〜〜〜に濃い句です。不景気だとかそういう枠に納まら
ない時代性、独特の人情をひしと感じます。

そうそう田舎ではまだ物々交換の交流がしっかり残っています。
北海道に戻ったうちの実家から手作りのシャケの燻製がまわって
きたりします。そういう背景からも、「しいたけ」にこめられた
大工さんの想いがパサパサ鳴る新聞紙から溢れてくるような
気がいたします。すごいぞ朝日歌壇すごいぞ小林さんいいぞ
選者高野公彦氏!

何をそんなにもりあがっているんだ、次!

その流れで今日思わず朝日新聞を駅で買っちゃったんですよね。
そうしたらありましたよありました!今日もおいらのツボ中のツボが!

「上げ潮マルコス家」
1986年、ピープルパワー革命でフィリピンを追われた独裁者、
フェルディナンド・マルコス元大統領。マラカニアン宮殿に残
された
イメルダ夫人の靴や宝石のコレクション・・・・・。
あれから24年。
80歳になったイメルダ夫人は5月の下院議員
選挙に立候補。

長女・長男も知事や上院議員に当選しそうな勢いだ・・・

(写真)イメルダ夫人(右)と長女アイミー氏(左隣)

(写真)長男ボンボン氏



     
あたりまえながら写真のキャプションにまったくツッコミがない。
キャプションにツッコミのある新聞というのもあまりに格式が低
くて困るとは思うけれども、ここは特例を認めたいほどに話が
うますぎる。いいぞ朝日新聞いいぞマルコス一家いいぞ長男
ボンボン氏!!!

ちなみにボンボン氏の本名は「フェルディナンド・マルコス・ジュニア」。
なんて結束が強く、また長年に渡って人をいらっとさせるのがうまい
家庭なんだろうか・・・。
とにかくこのナイスな愛称の由来、お願い誰か教えてくだされ。
気になってまた眠れないじゃないか。

参考文献:朝日新聞2010年3月29日(月)朝刊第12版13ページ
同2010年4月7日(水)朝刊第13版8ページ


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この記事へのコメント

4. Posted by RIO   April 10, 2010 00:58
そっかあ・・・ためになる情報ありがと!フィリピンには大人でも愛称で呼び合う習慣があるってこと今までしりませんでした。なんとなくあの国の方たちって人同士の密着度が高そうな印象があったのは、そういう習慣にも関係があるのかもしれないね。

そうはいってもボンボン氏というお名前と写真を見るたびに私からぷっという音がでるのはどうしても変えられない気がするよ。





3. Posted by たまま   April 09, 2010 14:47
気になって自分も調べました
bong-bong marcos

wiki
http://en.wikipedia.org/wiki/Ferdinand_Marcos,_Jr.

http://bongbongm.com/
公式サイト

フィリピン文化のニックネームについて
http://orientalheart.com/article7.html

以下引用---
フィリピン人はお互いを愛称で呼び合うのが好きです。夫婦はお互いを「マミー」「ダディー」と呼び合います。ペットには「ボンボン」「ティンティン」「ポン」「ピン」「ピンキー」「ベイビー」が多いですが、別にペットに限らず人間でもボンボン議員やピンキー判事などいます。

こんなんでしたけど、実はこの、bong bong には、スラングで「ちょっとした意味」があるらしく
もしそれが由来ならば、そりゃもう最高の「●鹿○出しの凄いムスコ」になっちまうんですが・・・ね。

真昼間から失礼しました。
2. Posted by RIO   April 09, 2010 12:29
そうなんですよ、この「ぱさっと感」がたまららないのです。中身から思わぬ発見をすることはもちろん、その後も窓拭きに靴の湿気とりに玄関掃除に野菜の保存のために最後まで活躍してくれる新聞紙にはやはり愛着があります。

田中田中氏が出馬、かあ。写真を見る限りでは「ボンボン氏」との空気感マッチングは絶妙なものでした。どこかでフィリピンの方とお会いする機会があればそこがどこであれ初対面であれ”Do you know Mr.BONBON? ”とききかねない、前のめりな私です。
1. Posted by おにぎり姫   April 09, 2010 02:12
インターネット全盛の時代に、紙の新聞が持つアナログな魅力に光を当ててくださって本当に嬉しいです!
先生のお母様が、食べ物が傷まないように箱のすき間に新聞を詰めて、それを手に取った先生が朝日歌壇にふと目を留めて大工さんの歌を味わう。このエピソード自体が素敵です。
「まだ紙にもネットに勝てる要素があった!」思わず快哉を叫んでしまった、新聞大好き人間です。
ボンボンですが、「ボン」はフィリピンではよくある名字とのこと。ボンボンは「田中田中」みたいな感じらしいのですが、なぜ彼にその愛称が付いたかは・・・謎です。

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