January 21, 2010

春の足音

ええいこれを書き上げたらいちごをつまみにビールを飲む
んじゃいっっっ がおおおおおおおおっ
そう。確定申告のひたひたという音がする。
年が明けたら提出のその瞬間まで休日はないぞよ。

独立した理由の一つに「自分の人生は自分で把握したい」と
いうのがあった。

何がどうなってるのかわからないことは、これからも「どうせ」
今日と同じような日が続くだけだろうとしか思えないのと同じ
くらい、ヤな感じをおぼえるタイプなのだ。

確定申告ほど己のあるがままを冷酷非情にみせるものは
なかなかないように思う。
これが難行苦行ではなく、365日のパノラマを見るような
ものだと思えるようになったあたりに牛歩の自分なりの進展を感じる。

かといってラクになったわけじゃ全然ないんだけどね・・・

データを打ち込むたびに昨年一年間の出来事が走馬灯の
ようにアタマをよぎる。
出会った生徒さんとの会話までよみがえる。
それくらい、仕事の記憶は強烈かつ鮮明なものだ。

このお正月に一日だけ日帰りで行った札幌で会った旧友から
ハガキがぴらりんと届いた。

この友達は長年、家族がもめにもめて翻弄されているうえに
年末に自身の子宮を失った。
慰めの言葉なんかあるはずがない。

ただ聞く以外できることがないと思って会いに行ったのだけ
ど、その彼女にも弱点があった。

「ほかの女性たちは経済的にラクになれるなら相手を愛して
いなくても結婚する」

と彼女は言う。

それは真実の一端だが、そのようには思わない女性が世の
中にゴマンといるということもまた真実であり、そちら側の真
実に触れるチャンスが少ないところに私は彼女の未成熟を
みたような気がした。

人間、苦しくなればなるほど他人と自分を天秤にかけてどっ
ちが幸せか、あるいは不幸せかを比較しようとする。
彼女は今、ものすごくしんどいから心が揺れるのはわかる。
しかし比較していいのは昨日の自分と今日の自分だけなのだ。

みんなはすごく賢い、あるいはハートのある読者だから一人
ひとりこのことの大切さはすごくよくわかっていらっしゃるんじゃ
ないかと思う。

人間関係のトラブルがあったときにも相手に何かを求めている
うちは絶対に解決しない。
たとえ解決しても「敵」は新たに現れる。絶対に。

状況を変えられるのは自分だけだし、ネガティブな念を断つ訓
練も年齢相応に身につけなくてはいけない。

結局すべては自分にかえってくるものだ。

ダンスの練習にしても、上手な人をみてああ自分はとうてい
あんなふうにはなれそうもない、と落ち込んだり、逆に一緒に
練習をしていてこの人は一体全体どうしてこんな怪しい動きを
して平気でいられるのか、という怒りににた感情がわきあがる
ことはよくある。

ありますよね。

でも、どちらも無意味だ。

上手にみえる人でも組んでみたら上手でないことはよくある。
あんまり上手に見えない人でも組んでみたら実は感じがよい
ことも、これまたけっこうある。

怪しい人に気をとられて自分の練習時間の質が下がるのも
実にもったいないこと。
結局その怪しい張本人が一番充実した時間をすごしているの
だから納得できませぬが、怪しい人というのは世界中どこに
行ってもいるんですもん!

会いたくなかったら無人島に行くしかありませぬぞ。

でもそこにサルサクラブはない。


確定申告の書類を作っているときに必ずしんどくなる瞬間が
あります。

「もしあのまま大学で仕事をしていれば・・・」という念がいまだに
アタマをよぎるのです。

故郷の知り合いでも、「安定した職があったのにどうしてわざわざ
ダンスなんて」といまだにおっしゃる方がいるのです。

私本人でさえそう思うくらいですからね。ははははは!!!!

仕事がしんどくなったとき、特に熱があるときのレッスン、あるい
は生徒さんとの人間関係でとことん落ち込んだようなときには
この気持ちはいまだになくならないと正直に告白してしまおう。

しかし、「あのまま大学で・・・」という考え方は「他人との比較」。
こっちの仕事とそっちの仕事、楽で得なのはどっちでしょう、と
いう観点だよね。

楽で得だからという理由で選んだ仕事で今クビになったら、
私には心から身を捧げることのできる技術が一つもないまま
途方にくれることになるだろう。

昨日の自分より今日の自分を誇れるか、という絶対評価で
生きる。
マイナスの念は意志で断つ。
練習のとき、練習のたびに昨日よりも今日のほうが半歩でも
うまくなっていますようにと願う。

友人のハガキには「今は『???』しかないけど『!!!』って
ときがくるのを待とうと思う」と書いてありました。

そうそうそうそう。
いい感じじゃん。
今は春を待とう。















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