January 05, 2009

スタイルの話

ヘミングウェイ

「スタイルとは何が
どうとは言えない
けれど見ればたしかに
それとわかるもの」という
言葉を体現した男。
2008年の最終日、
カウントダウンにむけて
ひとけの減る一方の
グラマシー郊外にて。

NYに着いてからほとんど初めて、観光らしい観光をする機会が
訪れた。クリスマスと年末はほとんどのレッスンが休講になって
しまうのでちょうどいいといえばよかった。

そんな中12月28日の日曜までレッスンを続けたFRANKIEは
やっぱりすごい。参加者は通常の半分になるが、おそらく彼自身
が自分の体がなまるのを好まないのだと思う。
その後の6日間の休暇の間にフロリダだかどこだか(聞き違えた
かもしれないが、まあいいでしょ)でショーをやってきたといって
いた。休まなくてもいい人間というものはいるものである。
おかげで私は彼のまさに「驚異的な人体」としかいいようがない
筋肉をとくと観察することができた。

彼が現段階でサルサ界のトップにのぼりつめた男であることは
間違いがない。
プエルトリコ出身でありながらキューバのムーブメントを完全に
身につけ、EDDIE TORRESのNYON2をマスターしたばかりか
自分のスタイルまで確立し、歩いても立っても、ふりむいただけ
でも全てがアートになる人間。
頭も腰もまったく動かすことなく肩だけを自在にコントロールでき、
プリパレーションなしで回転ができ、バレエもヒップホップもなんでも
ござれの自在さ。ユーモア、適度のナルシシズム(ものすごくお洒落
なんだこれが)・・・あげたらきりがないけれど、私は帰国したら彼の
ムーブメントをなんとしても皆に伝授しなければいけないと思っている。
地味だし宗教的でもある。皆がその意味と重要性を理解して
くれることを祈ってるよ。

彼のような人間がいるのでは、ものすごくうまくても教室を開けない
セミプロのダンサーがNYにはたくさん存在するだろう。
「あれ」を見てしまったらそうそう簡単にインストラクターは名乗れない。

そんな中自分は、おいらは、どうするのか。

簡単だ。おいらにできることをするのみ。
おいらはNYでもおいらであり続けた。
たくさんの握手と笑顔をサルサの会場でも街角でももらい続けた。
おいらは間違いなく、自分が皆にとって価値あるインストラクターで
あり続けると自信をもっていいきることができるよ。
たとえ地下鉄にとじこめられてもドミトリーが水没しそうになっても
・・・つまりはっちゃめちゃではあっても、サルサだけはたしかに
私のものなのだ。
私は皆にサルサと自分の体験をブログとレッスンで伝えることによって
強く皆の人生に影響を与えることだろう。
私はすべてにおいて失敗ばかりだけど、どういうわけか「それだけ」
はできる。
生まれる前にサンタから一個だけ奪い取ってから「こっち」にきたん
だろうと今は思っている。
そのほかがあまりに失敗ばかりだからだ。




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