March 24, 2008

私的聖火リレー

春のせいかなんのせいかわからぬが、「家をなんとかしよう

キャンペーン」を個人的にかなり強力に推し進めている。


きっかけは本棚だった。巨大な本棚を二個置こうと思えば様々な

「いつかやればいいけどそれは今じゃなくてもいい」的雑事に

決着をつけなければいけない。

 

私はガステーブルを二つ持っている。

ありえないと思うでしょう。私もそう思うもん。東京から千葉に

移り住んだとき、どこで聞いたか忘れたけれど「東京で使ってた

ガス製品は千葉では使えないよー」と私は思い込んだ。

ところが東京でのど貧乏時代に私がアルバイト先のご夫婦から

厚意でいただいたガステーブル(以下「東京ガス」)を私はことの

ほか気に入っていた。超がつくアンティーク仕立て

だし、何がいいって真ん中に魚焼き場がついていないのがいいので

ある。あれがないだけでガステーブルはすごくすっきり清清しいのだ。

 

千葉に移ったとき、お世話になった不動産の方が「前の人がおいて

ったガス台(以下「京葉ガス」)あるからこれ使いなさいよ」と

いってくれて、そのとき私は「東京ガス」は使えないと勝手に

勘違いしていたため、ばたばたしてたこともあってよく考えも調べも

せずにうんと言ってしまった。そして「東京ガス」をうやむやに

ずっとしまってあったのだ。すごい物量である。無駄とはわかって

いた。しかしこういう大物を処分するには非常な体力と精神力を

要するものであって、その引越し以来私にガス台に興味をむける

エネルギーなんて一切なかった。そしてごく近所で昨年引越しした

ときも判断する間はなかったので「東京ガス」をそのままもって

きた。本当に私という生物は全身全霊無駄だらけなのである。

 

しかし本棚設置にあたって私の生命線である「無駄」と決着すべき

ときがきたようだ。私はパソコンにはじまってこの大事業にすでに

何十時間も費やしており、そこまで「無駄に」時間を投入すれば

確かに部屋の様相は重い腰をあげて改善の方向に傾きだした。

 

涙をのんで「東京ガス」とお別れしようと思って江戸川区のリサイ

クルショップに電話したが「市川までとりにいくなら○千円」と

いわれてあきらめる。次の涙をのんで処分しようかと思ったけど、

ふと気付いて「東京ガス」を「京葉仕様」に改造できないのかと

電話したところ「京葉ガスさんは13A(私には意味不明)です

から、東京のものはそのまま使えますよ」といわれた。

 

私は6年もの間、壮大な勘違いによってガス台を二台持ち続けて

きたことになる。こんなビッグな勘違いをし続けたままいかんとも

する余裕がなかったこれまでの自分の生活の質をこんな形で

見せ付けられたような気がして、しばらく電話の前に座り込んで

しまったのだった。

 

それから数日。私はガステーブルの交換にとりかかった。

「東京ガス」は完全に綺麗になっていたわけでもなく部品もばらして

あるから、裏も溝も磨き上げて部品を元通りに設置するまでに

二時間近くかかった。

それからお世話になった「京葉ガス」を取り外し、周囲のアブラを

おとしたりガス栓にこびりついた汚れを取り去るのにさらに1時間。

朝から作業をはじめて6年ぶりに「東京ガス」に火が入ったのは

昼過ぎだった。

オリンピックスタジアムに灯った聖火みたいに見えた。

できなかったことができるようになることは、それがなんであれ

こんなにもはればれしいものなんだね。

 




salsaconsul at 23:33│Comments(2)TrackBack(0)

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この記事へのコメント

2. Posted by RIO   April 10, 2008 18:16
ええ、実際日々どれだけめんどいことに対して淡々とむかうのが大事かということを今回学びました。そして最後に腰をやりました。モノはいつくしんであげないと。あたたた
1. Posted by Y   March 25, 2008 10:01
とかく我々は、めんどくさい作業を敬遠しがちだが、RIOセンセイの話を読むと、じっさいに手足を動かして何かをやりとげるということは、実は楽しいことなんだな、ということを感じます。(読書感想文調)

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