January 21, 2008

誘われたら行ってみる

袖触れ合うも他生の縁といいます。雪の舞う今日はちょっと

あらたまって私にとっての他生の縁など、少々。


 


 

経営者のための私塾に属していることは折々ここに書いて

きました。この間きいたらもう発足して3年が経過したそうです。

私はここに初回から出席していますが、当初はこの会の目的も

何も知らず「来たほうがいいよ」と呼ばれて、それがご恩のある

方だったもので仕方なくついていったのです。この方というのは

私が地元で初めてサルサイベントを手伝ったときに出会った方

でした。行ってみるといかつい30代の社長さんたちが何人か

いらっしゃいましたが、社長でもなく経営なんてまったく興味も

ない私には全く居心地の悪いところで、正直早く帰りたいなと

思ったものでした。自己紹介をかねてサルサのことをかいつまんで

お話させていただいたのですが、なんだか反応が薄くますます

居心地悪く感じていました。連れていってくれた方お一人だけが

「いい。いい。それでいい。抜群に面白い」とにこにこ満足して

いらっしゃる。

会の目的は「日本の将来を憂い、自分たちにできることはないかを

学ぶ」というようなものなんですけれども、講師の先生方も主に

経営の極意のようなものをお話される方がほとんどで、会の目的に

合致したお話をいただくことはなかなかありませんでした。当時の

私はまだサルサで身を立てていくという明快な決心もありません

でしたから、「こうするとうまくいく」的なお話になんの興味も

抱けなかったのはいうまでもありません。高い会費も払わねばいけ

ないことですし、どうしたものかと思い悩んだものです。

どういうわけか、主催者数名のうちのお一人であるNさんという方が

なぜか私をかってくれて、何かとR先生R先生とひきたてて

くださるのが申し訳なくて、ずっと籍を置き続けてきました。

会員が一人減り二人減りしていきました。なんとかして一致団結を、

という思いで箱根合宿を敢行しました。このときにそれぞれの

思いを率直に語ってみようということで、私は「ここに来ている

お一人お一人のことが正直いってよくわからない。およびする講師の

先生も、より会の趣旨に近い方でなければ」というお話をしました。

今思えば、お一人お一人のことがよくわからないのは彼らが私の

幼さをみきっていたということだし、およびする講師の先生から

今自分が求めている問題に対するお答えを引き出す能力の欠如こそ

が問題だったのです。つまるところ、経営などいささかもやったこと

のない私は単純に幼なすぎたのでした。


それから先生をおよびしない内輪の会を何回か行い、事実上ほぼ

解散か?というような時期を経て、再び塾は勢いを取り戻しはじめ

ました。

通常一席十万円から数十万円の先生へ、ただ同然で講演をお願い

することこそもっとも難しいということを理解した私は、交渉の

席に同行させていただくようになりました。

二人とか三人で伺いますので会そのものよりも先生の素顔に触れる

ことができて、実は大変な役得なのだということを知りました。


先日、経営コンサルタントでやはり私塾を主催しておられる方を

お尋ねしました。ちょうど私の父ほどの年齢の方ですね。

弓道を精神鍛錬の場とされているとのことでした。

「的の矢は射た者の『あり方』の結果である」、と聞かせていただき

ました。

その方は私にあれこれと仕事のことをお尋ねくださったのですが、

「あなたのビジョンはありますか。将来はどうされるおつもりか

お話願えますか」とおっしゃられて、それに対して自分が思いのほか

すらすらと答えていることにわれながらびっくりしてしまいました。

二年後、五年後、十年後、とすべて頭の中に明快に図を描くことが

できたのでした。また自分がそうと意識もしないのに「私はベビー

ブームの時代に産まれたおかげで今仕事を順調にさせていただいて

いると思う。何か言葉を発したときにそれに共感してもらえる

母集団が巨大だということに感謝している」と勝手に口をついている

ことにも驚きました。潜在的なものを引き出していただけたという

ことになります。

最後にその方は経営者がいかに清清しくあるべきかをエピソードを

交えてお話くださいました。「社員は経営者の一挙手一投足を見て

います」。

ズルはいけない、という単純にして最も重い教訓を錨のごとく私に

とりつけてくださったのでした。




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この記事へのコメント

2. Posted by RIO   February 01, 2008 21:57
うん、ちょっぴりの勇気を振り絞るって運命を変える力になりますね。私なんかは放っておくとずっと部屋にこもるタイプなので、ちょっぴりどころか自分に鞭うって出かけるタイプなんですけれども、外に出るとやっぱりそれなりの発見があってよかったなと毎回思います。
1. Posted by NORIサンバ   January 22, 2008 00:34
まさにその通りだと思います。誘われたらとにかく行ってみる、顔を出してみる。そこから思いもよらぬ素晴らしい出会い、人とのご縁にたくさん恵まれて今日まで来ました。「どうして自分のような者がこんな素晴らしい人と出会えたのだろう」と思うことがしばしばありましたが、今はすべて必然だったと思えます。どうぞこれからも素敵な出会いを☆

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