June 12, 2007

"Let's go celebrate!"

チャイナタウンの銀行
LAのチャイナタウン

には数多くの銀行が

あった。

 

そこには独特の秩序があって、混沌とした街に一種の

静謐さを醸し出していた。

 

サンディエゴには夜の七時半に到着した。

 

TさんとJ君は真新しい一軒家の2階を間借りしている。

リビング、寝室、台所、バスルーム。

質のよい家具を少量と、ところどころにかけてある

メキシコ産のタペストリーが居心地よさを醸し出す。

Tさんはカウンセラーで、J君はミリタリーに勤務している。

2人の落ち着いた生活には明るい穏やかさが漂っていた。

といってもTさんはアメリカでのリストラといったような

手痛い経験を経て現在に到っている。

J君はペルー人の母を持つLAっ子で最近サンディエゴに

越してきた。

私が感じたとおり、やっぱり住むならLAよりサンディエゴ

だという。海岸のスタバで不動産の雑誌を見つけた二人は

一気に家購入の夢を膨らませてもりあがっている。

それは見ている私にも幸福感をもたらした。

一緒にいてかえって寂しくなる人がいる一方で、3人が

五人、十人に感じられる人もいるのはどうしてなんだろう。


J君は音楽に対してマッドというかクレイジーというか、

彼そのものが音の弾丸といった感じの人。

私が訪ねた瞬間からあれ知ってるかこれ知ってるかと

お気に入りの曲をひっきりなしにきかせては、いいだろ?

たまんないだろ〜〜?と押し売りするのだ。

アフリカンドやロス・バン・バンといった黒っぽい系統を

特に好む。

彼は一度サルサのレッスンを受けにいったが、「脚をまっすぐ

伸ばせ」といわれたのが原因で二度と行かないそうだ。

「サルサを習ったやつの踊りって全員同じだろ?

ビュッ・バッ・チャッってさ(LAスタイルダンサーの真似を

しながら)。曲には速いとこもゆっくりなとこもある。

ボクの踊り方はこう(やってみせる。まさに全身音楽魂)。」


いたいた。いたよ。

こんなにあっさり見つかっちゃっていいのかな・・・

Tさんにネットを通じて連絡をとったのが1〜2年前。

会うのは今回が初めて。そしてそのダンナというのが

今まさに私が探していた「オーディナリー・ダンサー」。

その素晴らしさはバトル・ダンサーにけしておとらない。

見ているだけで心躍る。

2人を訪ねていなかったら、今回の旅は私にとんでもない

印象を残しただけで終わっていたかもしれない。


「RIOさん、ミモザって知ってます?」

ソーセージとキャベツがどっさり入ったオムレツで朝食を

とりながらTさんがきいた。

「ミモザ?みもざ?みもざみもざ・・・」

「カクテルです。オレンジジュースとシャンパンの」

「あー、あれね、あの高いの」

「Jがあれ飲まない?って」

「え”、朝だよ」

"He~y, let's celebrate!!"

"Celebrate what?!"

"It's a beautiful da~y!!!"


「僕たちはなんでもお祝いするよ〜

日曜なのに朝10時に起きた。

得した。」

そしたら今回のタイトルを叫ぶのだそうだ。


その夜、私がチケットをとっていた7時の列車に乗る前に

どうしてもオールドタウンのメキシカンレストランに

連れていきたい、とJ君はいってぶんぶん車を飛ばした。

私はその夜、ロスにもどってグラナダというクラブに行く

予定だった。ケイコさんにもピックアップをお願いしてある

のだし、なんとしても戻るつもりではあった。

J君は音楽だけでなく運転のほうもクレイジィ。

特に今日は急いでいた。

そして漫画みたいに最後の交差点で見事にかかった。

「ウウウウウウウウウウ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!!! 」

最近きいたようなサイレンと最近浴びたような白色光線。

やられた〜〜〜〜〜っとJ君がハンドルをたたく。

まだ明るいというのに、こんなにでかい警察の車がどうやって

身を潜めていられるのか。

あの白黒はシマウマ方式で敵の目をくらましているのか。


威厳のあるコップがかつかつと近づいてきた。

元気いっぱいのJ君も、高いチケットきられる・職場に通告

されるかも・ただでもない時間がますますなくなるのトリプル

ショックでうさぎのミッフィーのように口をつぐんでしまった。

「どうしたんだ?」

警官はなかなかかっこいい。

「・・駐車しようとしたら前の車がぱこぱこはじめたんで

そっちに気をとられて一時停止を見逃しました」

身分証明がミリタリーなのとJ君の態度がしおらしいのとで

警官は情状酌量を検討しはじめたようだ。

あれこれと書類に書き込んで、一週間後にこれをもって裁判所に

行けとのことだった。

そこで罰金なり社会奉仕なりが言い渡されるのかもしれない。

もともと私に少しでも楽しんでもらおうと思ってやったこと

なのだ。申し訳なかった。


警官が去ると、J君はおろしていたウィンドウをぐいぐいぐいっ

とあげて高らかに宣言した。


"LET'S GO CELEBRATE!!"


 




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