June 12, 2007

"Do you have an accounty?"

初日のランチ

アメリカ到着初日に

いただいたランチ。

 

ケイコさんはアボガド好きでよく料理に使う。

スープのほうはメキシコから単身アメリカに

乗り込んだBFが作りおきしていったものだそう。

食事に関してはやはり同じ国籍の者同士のほうが

何かと便利だ。


金曜日。

ネットで知り合ったサンディエゴのTさんに会いにいく日だ。

車で30分のユニオン・ステーションまでケイコさんに送って

もらい(私の車はその日の午前中に返してしまった。週末は

車は二台いらないことがはっきりしたからだ)、私は今回の

滞在中はじめてサルサからつかの間離れる時間を得た。


はじめての列車には驚くことばかりだった。

まず、駅においてあるソファがものすごくゴージャス。

茶色の革張りで、オークか何かの木の枠でどっしり作ってある。

一日電車待ちをしても、サンドイッチと本さえあれば全然苦に

ならないだろう。

次に、列車の旅でも飛行機と同じようにバゲッジを預けて

目的地でがごんがごん出てくるシステムになっている。

私はこの日はじめてロサンゼルスの中心街を歩けることに

なったので、送るというのでなく荷物を一時預かりして

もらいたかった。

ところがロッカーはなくて、有人のカウンターに預けて

札をもらうシステムになっている。

窓口には警官みたいなおねえさんがいて、列車のチケットと

IDを見せろといってきた。

二時間荷物を預けるだけのになんでチケットがいるんだよ・・・

ぶつぶつ言いながら買いにいく。

窓口にはすごい行列ができていたので、クレジットカードが

通せる自動販売機(一台しかない)でサンディエゴまで、

34ドルの切符を購入した。

便を指定するシステムだから、日本でいう特急に近い。

それからもう一度窓口に出直したらシャッターが下りていた。

まあ、ありがちっちゃありがちなんだろうけど。

ため息が出た。


30分がかりで荷物を預けて向かった先はチャイナタウン。

トラベラーズチェックを現金にするための銀行が

GARDENA市には見つからなかったからだ。

インフォメーションできいたらチャイナタウンにアメリカン・

バンクがあるはずでそれが一番近いとのこと。

徒歩10分ならいいか、と炎天下の中散歩をかねて駅を

あとにした。


駅のすぐそばにメキシコの民芸品店や料理店が並ぶ一角が

ある。極彩色の衣装は彼らの浅黒い肌には似会うだろうと

思われたけど、私が着てもお互いに不幸なだけ。

写真だけにとどめておくことにした。


それからさらに5分歩くとチャイナタウンに入る。

あたりは朱色と漢字でいっぱいだ。

ここには郊外と違ってアジア風「ぶらぶら歩き文化」が

残っている。

小さなおばちゃんたちがビニール袋をさげてサンダルで

ぺたぺた歩く姿をもう何年も見ていなかった気がした。


一番近い銀行はアメリカンバンクではなかった。

中華系の銀行がその手前にいくつもある。

インフォメーションの白人のおばちゃんにとって、中華系の

銀行はまったく関係のない世界の話なのだろう。

私はまっかっかなりに端正な趣のある大きな建物のドアを

押した。

"Can I change my travellers check to money?"

"Sure. Go ahead and wait over there."


アメリカ滞在中、私が心癒された場所の一つが実は銀行

だったといったらわかってもらえるだろうか。

一軒目はホームステイ先のGARDENAで、二件目はチャイナ

タウンで銀行に立ち寄ったが、そこにいる女性たちの

落ち着いた物腰と、一見さんに向けるまなざしのあたたかさ

には救われるような思いがした。

GARDENAの銀行では、口座のないお客さんとは残念ながら

取引ができないのだが、こうこうこんな口座がありますから

作ってみてはいかがですか?というようなことをさりげなく

もちかけられた。

ダメですはいさようなら、じゃなくて気持ちよく引き取って

もらうための工夫をする余裕があるのだ。

それだったらこちらも、残念ながらここには一週間しかいない

のだ、というようなことを言ってお互いに「それはそれは。

お役にたてずごめんなさいね」という顔で別れられる。


よいサービスの裏にはよいバックボーンがなければならない。

銀行に勤められることは海外では成功を意味する。

私は日本でそう感じたことはあまりなかったが、もしアメリカ

に暮らしていたら金融業というものに対する見方が少しは

違っていたかもしれないと思った。


銀行は何系列かによって勤めている人の顔も違う。

チャイナタウンの銀行の窓口に並ぶ女性は全員中国系だった。

窓口でトラベラーズチェックをさしだした相手は比較的若い

銀行員だった。トラベラーズチェックを扱うのがはじめて

だったのだろう。

彼女が私に尋ねた台詞が今回のタイトル。

滞在中二回目の質問だ。

でも、そうくるとは予期していなかったので思わず

"What do you mean by accounty?"

と聞き返した。

このころになると頭で考えるより先に言葉がでてくる。

すると全体を統括するベテランの女性が即座にやってきて、

新人さんにトラベラーズチェックの換金は口座と関係が

ないことをそっとささやいた。

そして彼女は私がいらいらしないように「待っててください」

とか「今控えをとりますから」などと何かと声をかけながら

仕事をすすめてくれた。


荷物預かりの女性と銀行の女性。

日本より社会的立ち位置の差がくっきりしている。

成功に対する情熱が桁外れのこの国の現実が、少しずつ

明らかになってゆく。

私は気持ちよく300ドルを得て、混沌としたマーケットに

入っていった。

履いていった靴はここには暑苦しすぎる。

素足にはけるサンダルがぜひとも必要だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




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