February 24, 2007

一点集中のお話

心は六本木に飛ぶが身体にはそれがかなわない。

今は自分の持ち生徒を全員○、つまり合格させること

以外考えられない。

代わりといってはなんだが市川でもっともいいバーで

マンハッタンを飲んだ。

上司に捧げる一杯だ。


2年間私の上司であった人が左遷されることになった。

昇進か左遷か。中間がないのが会社道だ。

私の上司は大変によい人だった。

もっと正確にいえば、気のいい人だった。

ハートはあった。

しかし要領が悪かったのだ。

今出世しようと思えばコンピュータとお友達でなくてはならない。

そして、お金を払う気が毛頭なかったり、中学3年の夏に

のこのこやってきて「名門高校に合格させろ」とプレッシャーを

かけてくるような人間にも親切にしなければいけない面倒くさい

時代である。

そういった中で必要なのは、大切なこととそうでないことを

一瞬で判断する思い切りのよさである。

非情であってもいい。

要はその場で決めることだ。

私の上司はそれが苦手だった。

明日なんとかしようと思うタイプ。

そして、左遷。

これは2年間仕えた部下としてはとても心痛むことだ。

しかし、部下、それもあと数日で会社を辞めようとしている

人間が上司をなぐさめるわけにはいかない。

私にできるのは、上司とその後ろにひかえるたっくさんの

「時代と相容れなかった人たち」に一人で杯を掲げること

だけである。

私の上司にはかつての田舎の校長先生なら充分つとまった

と思う。

マンハッタンの出来は最高だった。

黄昏色は今の気分にぴったりだ。

 

会社という病的存在の中で勝ち上がるための方法は

多分二つしかない。

そこで遊ぶか、自分も病気になるか、どちらかだ。

私は女であって、会社といういかにも魅力の欠けた男みたいな

ところで勝負するのはとっくにあきらめてしまったけれども、

中で遊ぼうと思ったら会社の中で密かに恋するのが一番だと

思っている。

同じフロアの別配属みたいなのが最高だ。

彼がそれとなく見ていると思うだけで、衣装選びにもコピー

ひとつにも気合いが入るというものだ。

完璧な仕事っぷりを発揮できることは間違いない。

なんたって「彼」が見ているのだ。

それも、それとなく。

これはたまらない。

一方、自分が病気になるとは要は「使える人間」になる

ことだ。

いつでもどこでもはせ参じる。

突然の呼び出しにもクレームにも即対応する。

そうして心身を病みながらゆっくりと階段を上っていくのだ。

どのみちそれは最初から、最上階には届かないように

作ってある階段である。

 

私は社長よりもサラリーマンと飲むのが好きだ。

サラリーマンは面白い。

人間の悲哀を酒に歌に女に転化させるのがうまいからだ。

対して社長は責任者であるから転化ができない。

そのまんま丸呑みだ。

だから腹のまわりがふくれてくるのだろう。

しかしこの世をまわしているのは社長である。

だから私は社長を尊敬する。

どんなに小さな会社の社長であっても社長は社長。

並の人間にはつとまらない。

しかし、一緒には極力飲まない。

彼らには銀座のいい女がつくのだから別に私ががんばる

理由もないのだけれども。

 

この数ヶ月の私は仕事に遅刻ばかりしていた。

このブログを書いたり、教室の場所を確保するために

かけまわることが常に頭の片隅にひっかかっていたからだ。

遅刻する、とどこかでわかっていながら急げない自分がいた。

夢の中で走ってるときの思うようにならないあの気分。

やめると決めた会社をまっとうするのは思ったより難しいもの

だと知った。

だからこそ今の自分は最後の最後くらい決めようと思わずに

いられないわけだ。

上司は遅刻続きの私を責めるでもなく、どうしたの、とだけ

言ってくださった。

私はこの一点だけでも、部下みんなに裏でからかわれ続けた

上司に感謝しなくてはいけない。

自分が悪いのがわかっているときにそのまんま

指摘されるほどつらいことはない。

それがわかる人は、たとえ要領は悪くとも尊敬に値する。

もうすぐお別れという今になって、会社には認められなくとも

私の上司には上司なりの上司らしさがあったのだと思える。

人間はいつか必ず老いるのだし、努力したところでいずれ

全員が時代遅れになることは決まっている。

評価されたい一点にむかって体当たりするだけだ。

幼いときにふすまや障子をけやぶったあの勢いで、

エネルギーは一点に集中するほうがいいようだ。

それは、いざというとき堂々会社に背をむけるための

最大の心の準備になる。




salsaconsul at 01:38│Comments(12)■SALSA FRESCA泣き笑い 

この記事へのコメント

13. Posted by salsaconsulRIO   March 04, 2007 22:48
どれも私の腸を捻転させてくれたネタぞろいです。よい寿司屋のようです。

天然モノが強いのはネタだけではなさそうです。どれもみな「本気でそれがよいと思っている」ことから端を発しているのが素晴らしいのです。

怪盗アンデスしかり、船乗りしかり。

みな、大真面目に生きているのです。



12. Posted by ネタ猫   March 04, 2007 12:49
RIO'sブログRanking Best 5 について考えてみたんですが、「船乗りしんどいベッド」と「裸で湯船でドンブラコ」、それから「変漢ミスコンテスト」(「変換」ではなく。)当たりもなかなかではないかと自負しております。しかし!「北国からのエビフライ便り」を越えられるネタは未だ見つかりませぬ。
ジモティー話のような話題で皆さますみませぬ。f^_^;
今日は時間前にザズーに着ける♪=^ェ^=
11. Posted by salsaconsulRIO   March 03, 2007 01:27
あれは何度よんでも、いやよまなくても思い出すだけで微笑が爆笑に変化する最高のねたです。

日曜もまた笑い、飲みましょう。

いつも「踊りましょう」がぬける私です。
10. Posted by ネタ猫   March 02, 2007 12:45
RIOブログ人気記事RankingでBest5どすかぁ〜(^^)vみんなが真剣に切迫している状況であればあるほどギャグとしてのパワーは爆発するんでしょうね〜♪
それにも増してあれはRIOさんの文才ですよ。私自分で読んでも「RIOさんたらどこで見てたの?」って位描写が笑えるのよ♪(^○^)今年のウチナーは普通で平穏な仕事で終わりますように〜♪日曜ザズー行くね〜♪(o^-’)b
9. Posted by salsaconsulRIO   March 02, 2007 01:01
こないだの市川レッスンのとき、まさにその「インドのソーターのお話」が話題になったんですよ。「あれっていつごろのだっけ、1月くらい?」ってきいたらEちゃんが「いや、去年の11月か12月ですね」って即答。それきいたYちゃん「えええええ、全部読んだつもりだったのにい」・・・この人たち、相当きてる・・・と心配になった瞬間でした。油断できません

インドのソーターのお話は、「RIOブログ人気記事ランキング」で間違いなくベスト5に入るだけの笑いをとったことを確信してます。

しばらくお会いできてないですね〜
さびしいです。
8. Posted by ネタ猫   February 28, 2007 13:47
ウチナーと言えば今年は私の仕事はもろにウチナー…。去年は印度で散々な目に遭いましたからねぇ。Copy機のソーターが人間だとか…
でもウチナーって色々仕事のやり取りをしていると東南アジアとおんなじなんですよぉ。(T^T)
ハァ〜…いつになったらサクサクと仕事が出来る環境になるのやら…\(-_-)
あっ、でもウチナーは基地のせいではありますがサルサクラブに不自由しないので仕事あとは毎日ムフフ♪
7. Posted by salsaconsul   February 28, 2007 00:32
うわっ
2010年目指してこつこつがんばろっと〜

ああ、うちなー時間で生きていけたら楽なんだがなあ・・・
6. Posted by ネタ猫   February 27, 2007 04:27
吉田松陰はこう言われたそうな。「どんな極悪人も3年あれば更生させられる。」
( ̄▽ ̄)V
5. Posted by salsaconsulRIO   February 27, 2007 00:09
かっこえ〜〜〜〜〜

しかし・・・私けっこういい年なんだよなあ。
「どら大人」にも孔子様は優しい言葉をくださるだろうか。

3. Posted by ネタ猫   February 26, 2007 13:05
孔子だったかなぁ?ある家に泊まりに来たとき、遊んでばかりのその家のどら息子はコソコソ隠れて挨拶もしなかったそうな。数日間コソコソ避けていたところ孔子がそこを立つとき、物陰にいる息子に「おまえは本当に良い子じゃ。」と言って立ち去った。息子はそれから見違えるような立派な人間になったそうな。
自分の素行を恥じている、つまりそれが分かっているから良い子なのだという。年長者とはかくありたいものですな。
2. Posted by salsaconsulRIO   February 25, 2007 23:05
大変そうですね〜〜〜 ストレスをほっとくと病気になります。(サルサをはじめとした)おもいっきりおバカなこともお忘れなく!

土曜日クラスがマイケルさんにとって「クリニック」になることを祈ってます。

近いうちに再会しましょうね!
1. Posted by マイケル   February 25, 2007 00:44
久々に覗きましたが、今回は真に迫るものを感じました。

最近では仕事中心の生活で、火曜日も水曜日も行けず正直少し滅入ってましたが、土曜日が始まる事を知り少し光が見えて来ました。

4月か3月後半ごろから土曜日に参加出来ると思います。今から楽しみです。

RIOさんその節にはよろしくお願いします。

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