September 2014

September 27, 2014

サルサのスタイルに関して現在思うこと(中編)

フォロアーである女性はいかに多様な技に対応するかが
求められるので、フロアに出れば出るほど両方のスタイル
を踊りこなしたいと思うようになりますよね。
だから男性とは異なり、On1とOn2両方をバランスよく練
習していけばいいと思います。東京はどちらのスタイルで
も素晴らしいリードを受けることができる世界有数の街だ
と思います。たとえば十年前と比較してもリーダーの層
の厚みは格段に増しているし、個性も様々で、女性にとっ
て天国のような場所です、東京は。

一方で、私が女性にとって課題になると感じるのはスタ
イルの問題よりもむしろライフステージの変化によって踊
れなくなる時期がくることです。女性は多忙化する、担当
が変わる、転職するといった仕事絡みの理由、パートナー
との関係や子育て、介護といった家族や人間関係上の
理由から、あるときぱったりとサルサから足が遠のいてしま
うことがあります。そうするとこれまでのサルサ友達とも疎
遠になって、復帰の際気後れしたり体力筋力に自信が
なくなったりして、そのままサルサからはなれてしまう。

私は20代の比較的早い段階で幸運にもサルサに出
会ったのですが、その後の歩みの中では熱狂的に週に
四回五回と汗みどろになってサルサを練習していたとき
もあれば、数年間全くサルサから離れていた時期もあ
ります。サルサは音楽的にも環境的にもとてもハイに
なりますし、意外に狭い世界でもあるので遊びこなすに
はある意味年期がいるというか、ある程度歳くったほうが
有利という側面も確かにあるように思います。人とダイ
レクトに触れ合う世界ですから、自分のペースだけで
ことが進まないのがサルサの魅力でもあり、またちょっと
したきっかけでもう二度と踊るもんかというくらい落ち込
むこともあります。

生徒さんには様々な個性の女性がいらっしゃいますが、
これまでお付き合いした中で感じたことは、ご自分の希
望をはっきり自覚してらっしゃる方がサルサを長く楽しん
でいけるようであるということです。好みのタイプのリーダ
ーが直感的にわかって素直にリードのお願いができる
とか、私にはこのスタイルがあうとかあわないとか、何かト
ラブルがあったときにすぐ周囲に助けを求めたり相談し
たりしてぱっと発散できる、そういうタイプの方ですね。

私はちょっと八方美人の気があって30代の半ばまでは
あれもいいこれもいいといって、なんとなくそのときどきの
空気に自分を合わせてしまっていたようなところがありま
した。だから素直で、自分の趣味や個性をよく把握して
いらっしゃる生徒さんに会うとうらやましいなあと思います。
逆に私のようになんだか自分というものがよくわからない
という方には、焦らなくていい、自分のペースで練習して
いけばいいですよ、とお伝えしたいです。


On1、On2に関して言えば、やはりシャインが好きでは
ないという女性がOn2を楽しみきることは難しいかも
しれません。On1でももちろんシャインは行いますが、
特にOn2で好まれるラテン&アフロキューバンジャズ
にはパーカッションのインプロビゼーション(即興)の部
分があって、そこでシャインの技をぶつけ合うという踊り
方が不可欠なのですね。男性は一曲をどのように踊
りきるかを自分の趣味で決めることができますが、女
性は男性の判断で必要なことを繰り出していかなけ
ればいけませんから、シャインがいやといって逃れること
はできません。
ベーシックステップを踏みながら相手のシャインを見
守る「聞き上手」という究極の技もありますけれど、こ
れはある意味シャインを踊るよりも難しい円熟の境地
ともいえます。逆にそれができるビッグママタイプの方
はもうこの手でいっちゃってください。

「私は本当はこういうの得意なんだけど
あなたのシャイン魅力的だから
ちょっとよく見せていただきたいのよ、うふふ

的な嫣然たる微笑みの練習をしましょう。


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日時:2014年10月5日(日) 15:00-17:00
場所:新宿マイスタジオ6B 地図はこちら
On1初中級レッスン 参加費:1800円



September 26, 2014

サルサのスタイルに関して現在思うこと(前編)

 もとはクラブでOn3でリードを受けた際まったく意味が
わからなかったことが、このブログを綴り始めた動機のひ
とつでもあったので、スタイルによる踊りわけについては
長年悩みぬいてきたし、考え続け書き続けてきました。
加えるとすれば、On1とOn2の共存についてどう考え
るかですね。個人の中での共存と、場においての共存、こ
の二つについてです。 これは男性と女性とで事情が異なる、
と私は考えるに到りました。

男性は一時的には両方試すにしても、いずれ自分がのりや
すいほう一つを極めていくのがよいのではないかと思い
ます。というのも、ずばりいって、男性の脳は二つのこと
を同時並行で進めていけるほど器用ではないからです。
そうではない類稀な方を除いて、ほとんどの男性は一つの
ことに集中して取り組んだほうが楽しめるし、高い能力を
発揮されることが多いように感じます。 どちらを選ぶかに
関しては、ざっくりいえば、ロマンティカに涙が出る方は
On1
ラテンジャズに鳥肌が立つ方はOn2を選ばれる
のが得策と思います。

ロマンティカが甘ったるいなと思う人がOn1、ラテンジャ
ズがめんどくさいと思う方がOn2を選べばそれは悲劇にな
ります。男性は音楽性で選んだほうが間違いないし、結果的
にゴール(女性から「踊ってください」と頼まれる)まで
近道になります。

そうは言っても女性ってOn2を踊れる男性のほうに行く
じゃないですか、という反論をお持ちの方。
それは違います。女性はスタイルがどっちかで評価して
いるのではありません。
ただ単純に見た目うまい男性のところに行くのです。
どっちでもいいうまければ。それが女性の本音です。

アメリカでもそれを体験したし日本でもそういう体験を
何回もしたから自信をもって言いますが、On2メイン
の会場でめちゃめちゃうまいOn1の男性に誘われて踊っ
たら女性は(ひそかに)狂喜します。やーないい方を
すれば

「私、当然On1もいけるのよ、
しゃらーん(スタイリングの音)」

ということをPRする絶好の機会になるからです。ただし
「めちゃめちゃうまい」というのが条件なので、相当ハー
ドルが高いのは認めます。それで、このポイントが実は
多くの方に気付かれていないのではないかと思うのですが、
On1で踊ったらOn2の女性が退屈そうな顔をした、と
いう場合(この経験はほんとに多くの男性がされている
はずなので、書いていて不憫で涙が出ます。本当です)、
それはOn1が悪いのではなく、あなたの踊りがマンネリ
化しているのだと考えてください。

ごめんほんとごめんほんとにごめんね
ほんとうにごめんなさい


男性はサルサを始めてから女性を余裕を持ってリード
できるようになるまでとんでもなく苦労をされるために、
いったん一曲踊りきれるようになるとそこで「あーやれ
やれ」という感じで技術の向上がストップしてしまう方
が多いのです。それまでのご苦労を考えれば当然だし、
そこまででも十分サルサは楽しむことができますが、
この東京砂漠ではその先を目指す意気込みがないと「打倒
On2」の域に達することができません。この点を見過
ごして「やっぱり女性はOn2のほうがいいんだ」と
中途半端にOn2のレッスンやイベントに顔を出して痛い
目にあった方は少なくないと想像します。

では具体的にOn1でリードに余裕ができた段階で、ご自
分の現在のステップをチェックする目安として、女性を回
転させているときに自分(男性)は回転しているか、とい
うのがあります。
サルサでは女性の回転が見所の中心になるのは言うまでも
ないことですが、なかなかうまい男性とめっちゃうまい男
性の差がどこにあるかといえば、人の目を引く男性は女性
を回転させながらその3カウントの中で自身もやすやすと
回転を決めてしまう、というのがあります。あるいは回転
しながら女性をリードしているという感じです。そういう
目でうまい人のダンスを観察し、真似できるところはやっ
てみる、というのはブレイクスルーのひとつのきっかけに
なると思います。

長くなりましたので今日はこのへんで。
次回は女性について今思うことを綴ってみたいと思います。
ああもう・・・ほんとうにごめんね。 

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日時:2014年10月5日(日) 15:00-17:00
場所:新宿マイスタジオ6B 地図はこちら
On1初中級レッスン 参加費:1800円



September 25, 2014

郷愁

およそ一年活動を休む間、サルサとは完全に距離を置いて、
世の動向にアンテナをたてていました。
今の世の中は私たちがかつて暮らしてきた80年代ベース
のニッポンとはもう完全なる別物です。
景気だけではなくて、価値観や家族形態や暮らし方、そう
いった身の回りのありとあらゆるものがいつの間にか色合
いを変えて、気付いたら別世界にいた、そんな感じです。

それに対して皆さんは心理的・経済的・社会的にどのよう
に対処していらっしゃるんでしょうか。自分は柔軟に対処
できていると感じている方はどれくらいいらっしゃるの
でしょうか。
私は、全然、ちっとも、対処できていないです。
ここはドコなんだ、自分はダレなんだ、と毎朝起きるたび
に自問自答するような感じなのですね。それくらい、時代
の潮流が押し寄せるのを肌身で感じ、それにそのまま乗る
ことなど到底できるはずもなく、乗るべきか蹴るべきか一
つ一つ問うてみる。そんな日々です。非常にゆっくり、ゆ
っくりゆっくり、今に逆らい今を見極めていきたいのです。

戦後を生きた私達のおじいちゃんおばあちゃんは、どのよ
うな想いで熱狂の80年代を見つめていたのかなあ。

飯田橋のポエトリーが終わったとき、皆さんがそれはもう
めちゃめちゃ嘆き悲しんでいるのを尻目に、私は一体何処
に行けばいいのか、何をすればいいのか、無我夢中で、事
態を正確に捉えることができていませんでした。思えば皆
さんがあの場所をあの場所にしてくれていたのでした。本
当にたくさんの思い出があって、数々の名場面があって、
今振り返っても笑いが止まらなくなることがあります。あ
のような場をいつかまた、作ってみたいです。

これからの私達は、確実に、親の老いと、自らの老いと正
面から向き合っていかなくてはいけません。生徒さんには
すでにそのステージに踏み込んでいらっしゃる方も何人か
います。その経験や想いは、願わくば共有したいものであ
るし、誰にでも訪れるものだし、一人や二人で解決できる
ものであるはずもありません。

私はダンスを社会現象だと考えています。ダンスが生まれ、
育ち、根付いていくうえで、その時々の社会がどのような
風向きになっているかが密接に関わっているのだと。
社会が変化した以上、私達の生き方遊び方がそれに伴って
変化するのは当然のことでしょう。
この国が何処へ行くのか、私たちが生き延びるのはどのよ
うな未来なのか。この獏とした不透明な感じを無視しては、
私には踊ることができません。相変わらずびびりで不器用
な私です。


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日時:2014年10月5日(日) 15:00-17:00
場所:新宿マイスタジオ6B 地図はこちら
On1初中級レッスン 参加費:1800円





September 22, 2014

もうすぐ十年

過去記事を見て驚きました。このブログの開設は2005年、
来年で十周年になるん
ですね。ということは教室を立ち上げ
初期、つまり市川のZAZOUで日曜日の午後のレッスンを
始めた頃からの生徒さんとはもう7、8年のお付き合いにな
るということです。すごいことですね。

十年といえば、当時三十代だった方は今四十代、当時四十代
だった方は今五十代、五十代だった方は六十代になっていら
っしゃいます。この「何十」という節目を越えるときは独特
の感慨に誰しも襲われるものだと思いますが、特に「これから
どのように生きていこうかな」というライフスタイルに関する
ことを考えずにはいられないですね。

かつては夫婦二人に子供二人、田舎にじじばば、というある
程度画一化した家族構成がありましたが、私達がこれから生
きる世界はそれとは明らかに様相が異なります。特にシング
ルで人生を全うしていけるかどうかは、少なからずの皆さん
が考えていることだと思います。また、自分も今その渦中に
あるので身に沁みて思うのですが、子育て世代のおかれる疎
外感、取り残され感は相当のものです。この教室からも多く
のお母さんが誕生しましたが、三歳を超えるまで眠れない・
友達と会えない・出かけられないつらさをどれだけ抱えてい
らしたかと思うと、なんというか、抱きしめたくなるという
か、本当に大変でしたよね。なでなでですよ、なでなで。
そして今この瞬間にも幼子と奮闘している生徒さんが少なから
ずいます。しばらく会えないかもしれませんが、長いトンネル
をともに抜けていきましょう。

昨日、久しぶりにイスマエル・キンタナの「ジェシカ」という
曲をききました。
もとはロス・ボラーチョスのTenjinさんから聴かせて
いただいた曲なのですけれど、なんともふくよかでたまらない
のです。昔のサルサって長すぎるか短すぎるかでフロアでは流
れないんですが、重厚で非常におしゃれなんですね。洗練され
ていないから構成なんかもちゃんとしてないんですけれど、
その実験の最中という感じが逆にいいんです。今巷で流れてい
る曲に圧倒的に欠けているのがこの「ふくよか」という感覚で、
これはおそらく多くの音楽がコンピュータで作られているから
だと思うのですね。多くの人の手と声と呼吸が積み上げていく
ふんわりとした音に恋焦がれてしまいます。

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日時:2014年10月5日(日) 15:00-17:00
場所:新宿マイスタジオ6B 地図はこちら
On1初中級レッスン 参加費:1800円

 



September 21, 2014

つれづれ書きます

コメント欄がやっと正常化しました。わーもう大変だった!
肩コリコリです。これからはお気軽にぜひコメントください。
お返事ももちろんします。

久しぶりにブログの手入れを始めると、わーんもう去年の自分は
なんてめんどくさいことをあれこれあれこれやっていたんだろうと、
なんだか情けないというか切ないというか複雑な気分になります。
それもこれも、妊娠出産で周囲にご迷惑をかけたくないという一
心でやっていたことなのです。
A型の私はなにがいやかってドタキャンほどいやなことがないの
です。だからもう、いざというときにどうやってレッスンを中止した
らよいものかそればっかり心配で、きちんと連絡ができる形を必
死になって作っていた感があります。
今となっては、なーんでそんなことにきゅうきゅうとしてたかなあと
思うのですけど、当時は当時で一生懸命でした。
仕事をしている女性はみんなそうだと思います。
会社に迷惑をかけたくない、でも自分も生かしたい。
悩んで悩んで生きているんですよね。

命を一つ預かった身となった今、これからは開き直って堂々とご
迷惑をかける勇気も持たないといけないですね。
迷惑はかけてかけられていいもんだ、と。
そういうふうに成長していきたいとようやく思えるようになりました。
この間、新橋のポエトリー魂に行ってもう何年も何年もお付き合い
してきた皆さんのお顔を見たときにやっとそう思えたんです。 
人生は長い。今この瞬間だけにこだわらなくてもいいですよね。

昨今はスマホで記事を読んでいただくことが多くなっていると思い
ます。それだとこのブログのページ全体ではなくて、記事を一つ表
示する形式になる場合が主流ですので、一日一回、記事の後ろに
レッスンの情報を簡略に表示する形にさせてください。そうしないと、
いつレッスンがあるのか把握していただくことができなくなってしまう
のです。見た目が悪くって、あといかにも商売してる感じがして私も
いやなのですが これも時代です。どうかご理解くださいませ。

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日時:2014年10月5日(日) 15:00-17:00
場所:新宿マイスタジオ6B 地図はこちら
On1初中級レッスン 参加費:1800円

 



September 20, 2014

コメント欄が餌食に

久しぶりにブログの手入れをしたら、コメント欄がスパムの餌食になっていた。
ひどい気分だ。 一回非表示にしてこつこつ手入れします。
ネットの世界はこういうのがめんどい。とほ。 



salsaconsul at 17:12|この記事のURLComments(0)TrackBack(0)

次回レッスンのお知らせ

長い間ご無沙汰いたしました。皆さま、お元気でお過ごしですか。

初夏に子供を出産しました。うーん、感想は・・・いたかった!!そして今は・・・ねむい!!
これまでに子供を育ててこられた皆さん、すべての親たちに敬意を表します。

この数ヶ月の間に何回か生徒さんと再会する機会をいただきました。
子供を持つ皆さん中心の飲み会、日曜新宿レッスンの生徒さん、それから新橋ラス・リサスで開催中のポエトリ魂の三ヶ所です。
みんなのお顔を見ると本当に元気が出ます。

本格的な活動再開までにはまだ時間が必要だと思うのですが、さしあたって一回、下記のようなレッスンを行います。

日時:2014年10月5日(日) 15:00-17:00
場所:新宿マイスタジオ6B 地図はこちら
On1初中級レッスン 参加費:1800円

私自身も体調を整えながらのレッスンですので、内容はまだ手探りです。わーサルサってかっこいいなあ、やっぱりすごいなあ、っていうあの感動を、ご一緒できるように願っています。
あとは、やっぱり、笑いですよね。これがないと、ね。

これから少しずつブログも書いていきたいと思います。どうぞよろしく!



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